2008年6月22日 (日)

孤独のグルメ

前々から読もうと思っていつつ、つい機会を逸していた本作だが、そうこうしているうちに新装版が発売。これを機にようやく読了。

なるほど、これはヘンな本だ。グルメマンガではない、B級というかチープというか、そういう美味しいものに対するこだわりとはちょっと違う、食べることの雰囲気に対する希求が核となっている。
その一風変わった視点は、ようするに久住視点そのものである。谷口ジローの絵づらから思い描くからヘンなのであって、いつもの久住マンガだと思えばなんの違和感もない。これはようするによりハードな絵柄なホンゴーさんの物語なのだ。

まあ自分の食に対する視点とはちょっと違うので、完全に親和することはないのだけれど、だから面白いのだろうなぁ。

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孤独のグルメ 【新装版】 Book 孤独のグルメ 【新装版】

著者:久住 昌之
販売元:扶桑社
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2008年5月25日 (日)

低俗霊DAYDREAM(9)~(10)

当初はSMの女王様(でもオトメ)の除霊師が繰り広げるオカルトコメディの様相であったこの作品。いつのころからディープかるシリアスな展開になってしまうのだが、それは長編マンガにおいてはよくみられる現象である。いや、作品が霊などの負の要素(つまり死だが)を取り扱っている関係上、それはしかたのないことであろう。自分としてはむしろどう話をたたむのかに興味があったのだった。大きな敵を倒してよかったね的なありきたりの大団円にはならないだろうとは思ったし、さりとて全滅ジェノサイド的な逃げもあるまいとも思っていたのだけれど。しかし、大きな物語のあとにその後の話にもなっていない正直どうでもいいようなエピソードがあって、それをもっておわりという手法にはちょっとびっくりした。実にアンチクライマックス的。

うがってみれば主人公の主観としての物語は、むしろ消失と再生であって、それは物語としてのクライマックスには到達できなかったから、このようなおわり方になったということなのかもしれない。(まあ単行本一冊に足りないから無理やり連載を延ばしてみたのかもしれないけれど)

シリーズを通してみた場合、自分は中盤くらいの思いきりのよいエピソード群が好きだったので後半戦はちょっとつらいところもあったのだけれど、しかし、キワモノにして王道のホラーマンガとして、後発者に(それなりに)影響を及ぼす作品にはなったのかなぁ、と思う。

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低俗霊DAYDREAM 10 (10) (角川コミックス・エース 70-10) Book 低俗霊DAYDREAM 10 (10) (角川コミックス・エース 70-10)

著者:奥瀬 サキ
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低俗霊DAYDREAM (9) (カドカワコミックスAエース) Book 低俗霊DAYDREAM (9) (カドカワコミックスAエース)

著者:目黒 三吉,奥瀬 サキ
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2008年4月19日 (土)

淫牝

自分が信用しているR18マンガ家のひとり、ひぢりれいの最新作。ではあるが中身は過去未収録の作品集となっており、エロ的興味よりは、絵柄の大いなる変遷をざくっと観ることができた面白さのほうが強かったなぁ。
過去のバタ臭い絵柄が、最近の萌えシロの多いそれにどうやって変化していったのかということが、時系列で一気にみると、「あ、ここらへんを強化していったか」とか「こういう表現に興味がシフトしていったのね」とか、けっこうわかるものである。

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淫牝 淫牝

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2008年2月 4日 (月)

ちょこッとsister(1)~(8)

基本的に男の願望充足ストーリーというヤツはDTルサンチマンの放つドロドロとしたリビドー感が嫌いなのだ。その初源は「うる星」であろうし、それを先鋭化させた作品が「女神さま」だと、自分は認識しているのだけれど、これらはけして男本位ではなく、意思を持つ生身(的)な相手があって成立していた。が、そのフォローアーは、より妄想的に男の欲望に都合のいい女性しか登場しなくなり、物語ではなくなっていく。そんな縮小再生産過程を経て今があるのだ。と思っている。自分はそんな設定に居心地の悪さを感じ、だから嫌だなぁと思うのだ。

(というわけであらかじめ云っておくとアニメのほうは全然観てません)

で、本作。基本的には上述のDT系マンガなのではある。しかも女っ気溢れる下宿というあまりにも判りやすい先行作品のエピゴーネンさである。本来ならば、自分はこれを否定するはずなのだ。が、しかし。面白かったのだ。けっこう本気で読み込んでしまった。

それは多分、登場人物が主人公に都合のいい存在ではなく、それぞれが、悩み、想い、生きている、という実にあたりまえなことを丁寧に描がかれているせいだろう。それは本来当然なのだけれど、この手の物語においては出色である。まあ主人公がモテスギだよ、という歪んだ根本原理までを崩すことまではできていないが、ここまでしっかり描かれていれば十分でしょう。

もうひとつはそんな恋愛模様だけではなく、トリックスターであるちょこの存在が友情をはじめとするさまざまな純粋さを描く基点として機能していることだろう。

あまりくどくどと解釈するつもりはないが、そんな人々の生活が過不足なく(といいつつ最終章の従兄弟編までは要らなかったかもしれないのだけれど)描かれており、そこにこの作品の魅力があるといえよう。

と、書いてはみたが、実のところ絵柄のよさに助けられているということもあるのだ。丁寧に、可愛らしく、そして適度にエロティックに描かれており、観ているだけでけっこう楽しめる。まあ、あえてツッコミをいれるならば、若い巻では巧みに乳首などを直接的に表現しないよう抑制されていたのが、後半、遠慮も恥じらいもなくバンバンみせちゃっているのが、トゥーマッチな感じではあったりするのだけれど、それはそれでよし。

てなわけで、食わず嫌いはいかんなぁ、と思った次第である。

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2008年1月29日 (火)

酒のほそ道(22)

相変わらず誘惑度が激しい作品ですよ。
案の定(?)読んだ次の日、湯豆腐とねぎま鍋を食してしまいました。いやぁ、酒が進む進む。危険です(笑)。
ここ最近、料理は鍋ばっかりだったので、ひとつちゃんとしたものを作りたくなりもしますな。といっても当然ながら酒の肴であることは云うまでもないのですがね。

もうひとつの興味津々料理、ミニ野菜もそのうち試すつもり。

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酒のほそ道 22 (22) (ニチブンコミックス) Book 酒のほそ道 22 (22) (ニチブンコミックス)

著者:ラズウェル細木
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2007年12月31日 (月)

キャノン先生トばしすぎ

現在の記号的になりすぎたエロマンガ表現全盛の中においては、実に今様ではない作風だが、個人的にはペンに勢いがのっていて走る絵柄は非常に好きなのである。ストーリーも絵柄に輪をかけたかっ飛ばしっぷりで、そのドライブ感やよし。スラップスティック色の強いラブコメといっていいのではなかろうか。

後半のエロマンガ家論を内包する(比較的)シリアスな展開は、現在の状況を赤裸々に描くとともに情熱のほとばしりを感じて、ちょっと燃えたっす。

ただし、設定的にはヤバイっしょ。いやマジで。

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キャノン先生トばしすぎ キャノン先生トばしすぎ

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2007年12月30日 (日)

リアル(7)

言葉足りなで誤解を招くことも承知で云えば、もはや普通のスポーツマンガ。それも陳腐な熱血などではなく、理想と現実の中で悩みながら高みを目指そうとする者たちの物語。
もちろんそれだけではなく、車椅子バスケを中軸としてそこに関わるいろいろなジリジリと苦悩する人間模様が読み込ませるのである。

実際、いつもホロリとしちゃうんだよね。次巻までまた1年かぁ。待てないなぁ。

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リアル 7 (7) (ヤングジャンプコミックス) Book リアル 7 (7) (ヤングジャンプコミックス)

著者:井上 雄彦
販売元:集英社
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秘密の新選組(3)

大バカな一発ネタで史実の真実を抉り出し、クソ真面目な保守信者を斬るというマンガも、はや3巻目。相変わらずしどい展開である。切腹者も登場し、バカでノーテンキにみえる物語にも生臭い血の匂いが漂いだし、乱丈の毒がいよいよ本領を発揮しだした感じで、好きですなぁ。

次巻あたり、平助と山南の最期になるのかしらん。

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秘密の新選組 (3) (Fx COMICS) (Fx COMICS) Book 秘密の新選組 (3) (Fx COMICS) (Fx COMICS)

著者:三宅 乱丈
販売元:太田出版
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2007年12月18日 (火)

PLUTO(5)

面白いといえば面白いが、いかんせんペースが遅くってそれまでの展開を忘れているのがきびしい。その都度読み返せばいいのだけれど、なんとなくそういう気分にならない話なんだよねぇ。

やはり完結後に一気読みしたほうがよいマンガなのかもしれない。

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PLUTO 5―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (5) (ビッグコミックス) Book PLUTO 5―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (5) (ビッグコミックス)

著者:浦沢 直樹,手塚 治虫
販売元:小学館
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2007年12月13日 (木)

ヒャッコ(2)

やっぱ面白いわ、コレ。

とりあえず主人公(達)がいて、準主役級(達)がいて、その中で繰り広げられるスクールデイズというフォーマットではある。でもそれらのレギュラーメンバーのみでの物語というよりは、毎回、新しい人物が登場し、人の輪が広がっていくというスタイルで、つまりは「トモダチ百人でっきるっかな」。要するに「ヒャッコ」なわけである。名は体を現しているのである。

もう少し、レギュラーメンバー固定でエピソードをまわし、世界観を深化してもらってもいいかもしんないんだけど、とも思うところもあるのだけれど、それはそれ、作品としてのコンセプトでもあるだろうし文句はいわないですよ。

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ヒャッコ2 FlexComix (Flex Comix) Book ヒャッコ2 FlexComix (Flex Comix)

著者:カトウ ハルアキ
販売元:ソフトバンククリエイティブ
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