« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年6月22日 (日)

荒野

大人になる直前の少女の恋はあまりにも不安定である。危うい。主人公荒野はそんな中、荒野を進むように自らを律し、大人(通俗的な意味ではなく)を目指す。読み通してみて意外と一途でそして挫折していない。まあ不必要にもめることもないのだけれど。

少女小説というよりはむしろ少女マンガ的。ただなぜそう感じたのかは自分でもよくわからない。

個人的にはマイノリティの恋を選んでしまった江里華にこそその恋を成就してもらいたかったのだけれど、ね。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ←CLICK!

荒野 Book 荒野

著者:桜庭 一樹
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | トラックバック (0)

四畳半神話大系

これはようするにうる星やつらビューティフルドリーマーなのだった。少しずつズレながらも永遠に続く心地よいモラトリアム。そのループから脱するための主人公の通過儀礼。まさに然りである。

そんな設定をいつもの森見ならではのDT感溢れる自虐的加害的文体は自分としては実に唸らせられるところであり、まったくもって同意する限りなのである。
まあ、しかし、とどのつまり、結局のところ、ハッピーエンドとはね。成就した恋の話など聞きたくもないわ。

お勧め。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ←CLICK!

四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1) Book 四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)

著者:森見 登美彦
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | トラックバック (0)

ベン・トー サバの味噌煮290円

バカ小説なのだけれど、天然ではない。かなり考えて誇大妄想的語彙を升目に埋めていくように書いている。だから突き抜け感がいまひとつ足りない。作者の文章の方向性は本来もっとフラットなもので、若干無理をして書いているように読めた。

まあとはいいつつチャレンジ精神は買いだし、底力があるのでそれなりに読めてしまう。今後、どっちに行こうとしているのか判らないけれど、今回、飛び道具的ネタもそれなりに表現できるということがわかって、それは収穫だったか。

それにしても弁当争奪をネタとした部活小説なんて、フツー思いつかんだろうに。アイディア出しという点においては、ちょっとどうかしてると思わずにはいられないなぁ(いい意味で)。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ←CLICK!

ベン・トー―サバの味噌煮290円 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-3) Book ベン・トー―サバの味噌煮290円 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-3)

著者:アサウラ
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | トラックバック (0)

バンガローの事件

ナンシードルーご活躍。しかし無茶な娘さんですなぁ。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ←CLICK!

Book バンガローの事件 (創元推理文庫 M キ 5-3 ナンシー・ドルーミステリ 3)

著者:キャロリン・キーン
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | トラックバック (0)

孤独のグルメ

前々から読もうと思っていつつ、つい機会を逸していた本作だが、そうこうしているうちに新装版が発売。これを機にようやく読了。

なるほど、これはヘンな本だ。グルメマンガではない、B級というかチープというか、そういう美味しいものに対するこだわりとはちょっと違う、食べることの雰囲気に対する希求が核となっている。
その一風変わった視点は、ようするに久住視点そのものである。谷口ジローの絵づらから思い描くからヘンなのであって、いつもの久住マンガだと思えばなんの違和感もない。これはようするによりハードな絵柄なホンゴーさんの物語なのだ。

まあ自分の食に対する視点とはちょっと違うので、完全に親和することはないのだけれど、だから面白いのだろうなぁ。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ←CLICK!

孤独のグルメ 【新装版】 Book 孤独のグルメ 【新装版】

著者:久住 昌之
販売元:扶桑社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | トラックバック (0)

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »