当初はSMの女王様(でもオトメ)の除霊師が繰り広げるオカルトコメディの様相であったこの作品。いつのころからディープかるシリアスな展開になってしまうのだが、それは長編マンガにおいてはよくみられる現象である。いや、作品が霊などの負の要素(つまり死だが)を取り扱っている関係上、それはしかたのないことであろう。自分としてはむしろどう話をたたむのかに興味があったのだった。大きな敵を倒してよかったね的なありきたりの大団円にはならないだろうとは思ったし、さりとて全滅ジェノサイド的な逃げもあるまいとも思っていたのだけれど。しかし、大きな物語のあとにその後の話にもなっていない正直どうでもいいようなエピソードがあって、それをもっておわりという手法にはちょっとびっくりした。実にアンチクライマックス的。
うがってみれば主人公の主観としての物語は、むしろ消失と再生であって、それは物語としてのクライマックスには到達できなかったから、このようなおわり方になったということなのかもしれない。(まあ単行本一冊に足りないから無理やり連載を延ばしてみたのかもしれないけれど)
シリーズを通してみた場合、自分は中盤くらいの思いきりのよいエピソード群が好きだったので後半戦はちょっとつらいところもあったのだけれど、しかし、キワモノにして王道のホラーマンガとして、後発者に(それなりに)影響を及ぼす作品にはなったのかなぁ、と思う。
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