美術の核心
日本人は無類の印象派好き。その命題に対してなんらかの答えが欲しくて読んでみたわけだが、まあ判ったような判らなかったような結論。結局、主観でしかないのね。自分としてはもっと歴史的背景や心理学的要素とか民族論とか、客観的な検証がなされた解答が(まあそれとて仮説にしかならないのだとしても)知りたかったのだが、美術史研究においてはそういう文脈で整理されることはないので、しかたがないのかなぁ、ないものねだりだったのかなぁと思いつつ、個人的にはさらに追求していきたい命題ではあるので、深く静かに調査していきたい。
で。本自体は、読みやすい初心者向けの美術指南となっていて、かなり面白かった。自分は(自分で云うのもナンデスガ)それなりに経験値があるつもりだけど、細分化されたジャンルにおいては知らないこともあり、また知っていても表層的な知識であったりで、その再確認ができるという点でも、非常によかったなぁと思うのであった。
できれば、より深く学びたい人に向けた参考図書の紹介があればなおよし、かなぁ。
美術の核心 (文春新書 614)
著者:千住 博 |
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