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2008年3月 8日 (土)

悪夢のエレベーター

これは小説ではない。コントである。というのが一番はじめに感じたことである。
さえない若者に怪しい中年、妄想系ゴスとエレベーターに閉じ込められて、さあどうする、というシチュエーションがまずは胡散臭い。それからの展開も、動的に物語が動いていくというよりは、4人のテンパッた会話劇として進み(それは密室劇だから当然でもあるのだけれど)、やがてとんでもない方向に事態が進展していくというのは、実に舞台的、コント的であるなぁ、と。

もっともこれが「藪の中」的手法による、第2章、第3章と進むにつれ、そのありえないシチュエーションが実は必然であることが浮かび上がってきて、さらには、不条理が条理として(?)、悲劇的な喜劇として幕を閉じるわけだが、その落着のしかた、それに至るまでの伏線の置き方などは、なるほどそうきたか、とちょっと唸らせられてしまった。

読後の感想としては、単なるコントではなく、コント仕立てのシチュエーションサスペンスだったんだなぁと思った。けっこうお勧めしたい。

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