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2008年2月22日 (金)

夜を守る

まあ石田衣良作品の常として、基本的に水準はキープしているわけで、読んで大きな不満というものはない。エンタテイメントとして十分、楽しむことができた。

ということを前提にして、だが、物語の設定としては、ストリートの素人トラブルシューターの物語という構造となっており、IWGPと大差ないだろう。つかず離れずに組関係なども絡んでくるところも同じっちゃ同じ。違いといえば、マコッちゃんたちが非合法すれすれのハードボイルドな戦い方をみせるのに対し、アメ横ガーディアンズたちは「無理をしない」というところにあるだろうか。もちろん、それは素人たちの戦い方としては実に真っ当で、なるほどな、と思うところではある。そして、そのような差異を設定することで、他作品との違いをつくろうとしているのか、とも思う。
ただ、ここまで似通っている(わけでもないのだけれど)物語であるのであれは、読む側としてはいっそハードボイルドであってくれよ、と思わないでもない。であるが故に、隔靴掻痒の気分は否めない。ということなのだ。

まあ手の早いストーリーテラーとしては、どうしても似た傾向の作品を書くことも多くなるであろうし、色付けの工夫もあるので、読み手の勝手な希望をいうつもりはないけれど、なかなかに、ね。難しいですね。

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夜を守る Book 夜を守る

著者:石田 衣良
販売元:双葉社
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人類は衰退しました(2)

ノーテンキなアイディアと、のほほんとした文章まわしが心地よい作品で、その持ち味は今回も健在。ホーカーシリーズやねこめ~わくシリーズといった、先行類似作品との対比としても、個性ある文章力が際立っているといえよう。

ただ、前回と比べてあまりにもストーリー展開がバタついていてちょっとついていきづらかった。そこの点は残念だな、と思うのであった。

2話掲載だが、自分としては、親指姫にして花束アルジャーノンをあまりにもわかりやすい形でモチーフにしている(とゆーか、パチってる?)1話目が好きですかな。2話目はあまりにも時間時空が判りにくくてついていけてない。歳とったせいでもないと思うのだけれど。

とりあえず次も楽しみにしておるわけですよ。

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人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2) Book 人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)

著者:田中 ロミオ
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精霊探偵

ホラー(オカルト)的設定の体裁ではあるが、実際は外宇宙侵略モノ、集合生命体型でしかも精神生命体のエイリアンと、思いきり古典的でコテコテのSF。そんなストーリーを、ホラーテイストでパッケージングしているのは、SF離れ著しい客受けを考えてのことなのか、はたまた単純に先行作品とのバリエーションとするためか、そこらへんはよく判らないが、ともあれ、そんなそんな設定ゆえガチャガチャした感じの仕上がりになっている。

読む人によって捕らえ方は様々ではあるのかもしれないが、自分はこれはスラップスティックだなぁ、と思うのだった。もしかすると感動叙情系なのかもしれないが、自分はそのようには読めなかった。
実際のところ、(最近の)カジシン作品はどれもこのようなテイストなのだけれど、一般的にはやはり泣けるホラー作家(@黄泉がえり)なのだろうか。

ともあれ、そんな感じの作品なのだけれど。今回、クライマックスの叙述トリックによるどんでん返しもそこそこに驚かされたし、けっこう楽しんで読むことができた。ラストの余韻の潔くなさも、これがバカSFであるということを前提に読めば納得できるだろうし、こうして深く静かにSFは浸透していくのであったということだろう。

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精霊探偵 (新潮文庫 (か-18-9)) Book 精霊探偵 (新潮文庫 (か-18-9))

著者:梶尾 真治
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2008年2月15日 (金)

狼と香辛料(7)

番外編的短編集。ボーナストラック的な位置づけになるので、本来ならば本編完結後に出るべきなのかもしれないし、でも、作品に熱のある今この時期ならでは、なのかもしれない。と屁理屈をこねてみた。物語が大きく動く内容でもないので、キャラ萌え視点で単純に、素直に楽しく読ませていただいたと書くべきなのかね。

これは作品に直接関係ないのかもしれないし関係あるのかもしれないが、挿絵の雰囲気が変わってきているな、と思った。感情表現が直接的というか記号的というか、つまりはよりマンガ的になっているように思う。

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狼と香辛料 (7) (電撃文庫 (1553)) Book 狼と香辛料 (7) (電撃文庫 (1553))

著者:支倉 凍砂
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2008年2月13日 (水)

写楽・考

面白かったことは面白かったのだけれど、若干鼻につくところもあって、心地よくない印象もないわけではなかった。
最近我ながら偏狭な考えだなぁと自重しているのだけれど、民俗学に限らず再現性を伴えない、また確たる証拠を提示できない学問は実証なき仮説のみの学問の檻から逃れることができない。またその仮説も客観性が保ちにくく、結果として研究者の数だけ論が増えていく状況に陥らざるを得ない。またその説の強度が往々にして論の成否ではなく、人間関係のパワーゲームで決まっていく、などなど、学問として誠実じゃあないのではないか、という思いがある。これらの課題については本作内でも幾度となく言及されているのだけれど、だからどうしたら、という視座がないため読んでいて「なんだよ」と思うわけである。もちろん、本作が根本的には推理エンタテイメント作品であるため、ポリティカルな提言は不要なのだけれど、読んでいて自家中毒気味だな、と思ったりするわけだ。

それはそれとして、表題作。タイトルと話が全然あっていなくて、どうなっていくのだろうと思わせ、その結果として「写」と「楽」による事件と考察であったのか、という構成には、あれれと思った。そしてさらにもうひとひねり加わり、タイトルと謎がリンクしていく結末には、若干の強引さを感じつつ、なるほどね、と思うのであった。勝手な推測だけれど、この物語自体、タイトルの洒落が先にあって構成されていったのではなかろうか。

そんなこんなで、歪んだ感想を云ってしまったが、適度な長さとアイディアの好作品集であった。

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写楽・考 (新潮文庫 き 24-3 蓮丈那智フィールドファイル 3) Book 写楽・考 (新潮文庫 き 24-3 蓮丈那智フィールドファイル 3)

著者:北森 鴻
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ARISAチェンジリング

ストーリーも世界観も実にステレオタイプで新鮮味に欠ける。というようなライトノベル(に限らず定期的提供を行うジャンルはすべからく、だろうが)はよくみかけるわけで、それ自体はダメとは実は思ってはいない。裾野の広がりを構成する上で必要なのだろうなぁ、と思うからだ。まあ、個人的には好んでそのような作品群までを守備範囲にするつもりはないが。だから設定面におけるダメだしはとりあえずしない。

この作者だが、自分としては初見である。著作リストをみる限りでは冊を重ねているようだが、しかし、なんだろう、読んでいてどうもしっくりこない。語り口やネーミングなどのセンスが古いということもあるのだろうけれど、とにかくよくできたライトノベルにある熱がないのだ。淡白であるとかクールであるとかではなく、伝わるものがない。それは上述の設定の陳腐さが影響していることもあるのだろうけれど、この書き慣れなさはなんだろうな、と思う。作者の本来書きたい、あるいは得意としていないテーマやジャンルを勉強しいしい、機械的に書いている。そんな印象である。

ライトノベルがここまで爛熟している今、需要と供給においてもいろいろあるのかもしれないなぁ、と思うのであった。

ところで、作中、並行世界の説明で「ライトノベルやテレビアニメではよくある設定」的な表現があったが、例示としてこのふたつはいかがなものか? SFというジャンルに執着するつもりもないけれど、ちょっとね。

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ARISAチェンジリング (電撃文庫 な 2-22) Book ARISAチェンジリング (電撃文庫 な 2-22)

著者:中里 融司
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2008年2月12日 (火)

夜の静寂に

キャラクター紹介から物語をスタートしなくていい分、この物語自体を展開しやすいのだろう。ややスラップスティックぎみの展開が楽しい。まあ殺人事件を楽しいというのもアレだが、あれあれという物語はこびを堪能することができる小説であるといえよう。1作目同様、本格推理としては弱いのだけれど、基本的な謎と伏線の提示は前半でされており、ミステリーとしての誠実さは高い。まあ、でも伏線が描かれた時点で物語の核となる謎の真相がバレバレで、そういう面でいえばミステリー小説としての甘さはないわけではない。しかし、この小説はあくまでも昔の田舎町のドタバタした殺人事件の顛末を追うタイプの作風なのであって、だから、仮に謎が判ってしまっていても問題はない、と自分は思うのであった。

云い換えると、主人公の兄妹とそのまわりの人々というキャラクター主導型の小説であり、だから彼らが活き活きと描けていればそれでこの作品の目的は達成できている。ということなのだ。
と、もったいぶって書いてみたが、単純に面白いってことを云いたかっただけなのである。

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夜の静寂に (創元推理文庫) 夜の静寂に (創元推理文庫)

著者:ジル チャーチル
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先生と僕

相変わらず上手い語り口で一気に読むことができる良作であった。
ということを前提として、いつもの坂木司作品とは若干のテイストの違いがあるように感じた。とはいってもすべてを読んでいるわけではないので、たまたまなのかもしれないが、作者の作風は「日常の謎」をいうジャンルコンセプトをベースにしつつ、しかし実際に描いているのは、世話物的な物語であった。それはやもすれば説教臭さが鼻白むくらいの人情話であるといってもよいだろう。
が、本作においては、そのへんの登場人物たちの関係性をメインにすえるのではなく(もちろんしっかりと描いてはいるが)、ミステリーであることにより真摯に向かい合っているように感じたのだ。それは作品のコアとなる部分が、古典的ミステリーの紹介とオマージュに深くコミットしているからだろうが、その結果、作風にある程度の新鮮味がでるのであれば、それは好ましいことだと自分は思う。

といいつつ、若干の不満を云わせてもらうと、事件自体が、万引きや不法建築、盗撮などといった日常的な事件ではあるが、現代の生々しい面を切り出しているところだろうか。ホームズ役はコマシャクレタ(?)中学生であるというのが理由でもないのだけれど、もう少しやむにやまれぬ、というか、事件ですらない「謎」であるための謎であってもよかったのではないか、とも思うのだ。
また、推理は推理として、それはイコール真相でなくとも物語りは成立するわけで、名探偵は常に真相を明らかにできなくても、この物語においてはそれはそれでいいようにも思う。
ま、でもあえて云うならば、であって、これらば重大な問題ではない。些細な瑕疵ですらないかもしれない。あくまでも、重箱の隅をつつくと、というレベル。

ともあれ、数時間を有意義につぶすことができる本であった。

ちなみにあげられていたミステリー作品ですが、自分は3勝2敗でした。高確率なのかどうなのか判りません。あと、そうそう、ワトソン役は誕生日いつなんだ?

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先生と僕 先生と僕
販売元:セブンアンドワイ
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2008年2月 4日 (月)

ちょこッとsister(1)~(8)

基本的に男の願望充足ストーリーというヤツはDTルサンチマンの放つドロドロとしたリビドー感が嫌いなのだ。その初源は「うる星」であろうし、それを先鋭化させた作品が「女神さま」だと、自分は認識しているのだけれど、これらはけして男本位ではなく、意思を持つ生身(的)な相手があって成立していた。が、そのフォローアーは、より妄想的に男の欲望に都合のいい女性しか登場しなくなり、物語ではなくなっていく。そんな縮小再生産過程を経て今があるのだ。と思っている。自分はそんな設定に居心地の悪さを感じ、だから嫌だなぁと思うのだ。

(というわけであらかじめ云っておくとアニメのほうは全然観てません)

で、本作。基本的には上述のDT系マンガなのではある。しかも女っ気溢れる下宿というあまりにも判りやすい先行作品のエピゴーネンさである。本来ならば、自分はこれを否定するはずなのだ。が、しかし。面白かったのだ。けっこう本気で読み込んでしまった。

それは多分、登場人物が主人公に都合のいい存在ではなく、それぞれが、悩み、想い、生きている、という実にあたりまえなことを丁寧に描がかれているせいだろう。それは本来当然なのだけれど、この手の物語においては出色である。まあ主人公がモテスギだよ、という歪んだ根本原理までを崩すことまではできていないが、ここまでしっかり描かれていれば十分でしょう。

もうひとつはそんな恋愛模様だけではなく、トリックスターであるちょこの存在が友情をはじめとするさまざまな純粋さを描く基点として機能していることだろう。

あまりくどくどと解釈するつもりはないが、そんな人々の生活が過不足なく(といいつつ最終章の従兄弟編までは要らなかったかもしれないのだけれど)描かれており、そこにこの作品の魅力があるといえよう。

と、書いてはみたが、実のところ絵柄のよさに助けられているということもあるのだ。丁寧に、可愛らしく、そして適度にエロティックに描かれており、観ているだけでけっこう楽しめる。まあ、あえてツッコミをいれるならば、若い巻では巧みに乳首などを直接的に表現しないよう抑制されていたのが、後半、遠慮も恥じらいもなくバンバンみせちゃっているのが、トゥーマッチな感じではあったりするのだけれど、それはそれでよし。

てなわけで、食わず嫌いはいかんなぁ、と思った次第である。

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(3)

なんかシリーズ化してしまって3作目。面白くないわけでもないんだけれど、ちょっと息切れしてきたかなぁ。登場人物が皆イッチャッテル破綻者ばかりという設定で、殺人もバンバンありーの、カニバリズムもありーの、で、もうかなりヤバイ。
で、それって、シリーズ化していく際のインフレ効果によるもののように読めてしまうのだ。アイディアはあってもそれを上手く展開させていくストーリーが追いついておらず、その分、濃いキャラクターで補っているというかね。そんな印象。

そもそもこの物語自体、飛び道具なわけで、主人公の××が悩み成長していく(?)という現在の展開は、ちょっといかがなものかと思わないでもない。

まあ、ひねくれた文体といい、ある意味鬼畜な物語といい、独創的な面白さは他作の比ではない(とゆーか、同様な作品なんかあるのか?)ので、今後どうなっていくのかはナリチューさせていただくこととしよう。

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入間人間 / 左/嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん: 3: 死の礎は生: 電撃文庫 入間人間 / 左/嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん: 3: 死の礎は生: 電撃文庫
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そのケータイはXXで

先に映画を観たのだけれど、その映画が実に怪作にして傑作だったので、読んでみることにした。びっくり。映画はかなり破天荒で「原作にかなり手を入れたんだろうなぁ」と思っていたら、これが逆で、原作のほうがもっと破格な壊れっぷり。映画のほうが、もっと現実的だったとは。それは、原作があってそれを90分にまとめるに際して、エピソードを整理しブラッシュアップする必要があってのことではあるのだけれど。でも、あのトンデモナイ(褒め言葉)映画よりもっとムチャクチャなんだもん。本当にびっくりした。

正直、そんなに上手い作品ではない。なんでここをそんなに書き込むかなぁ、とか、もっと詳しく書かないとわからんだろう、とか、表現の濃淡にむらがある。それは、作品全体をつつむムードもそうで、ホラーなんだか、アクションなんだか、コメディなんだか、あっちにコロコロこっちにコロコロと、落ち着かない。それは若書きということもあるのかもしれないのだけれど。
でも、それをまずよしとして読んでみれば(まあ映画がそうだったので覚悟はできていたからかもしれないが)、なんでもありの面白さ第一主義的なエンタテイメントとしては、そんなに的外れではないのだった。若書き的なところにさえ目を瞑れば、アリだと思う。実際けっこう楽しんじゃったしねぇ。

解説でも言及されていたけれど、本当にジョジョっぽいのだ。特に愛子サイド。対決において、相手の手の読み合戦なんて、(雰囲気的には)まさにそのまま。作者の好きなものを全部入れてみましたという姿勢は、潔くていい。

荒っぽいところもあるけれど、1作目だしね。次作も期待して読むことにします。

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宝島社文庫「そのケータイはXX(エクスクロス)で」 (宝島社文庫) Book 宝島社文庫「そのケータイはXX(エクスクロス)で」 (宝島社文庫)

著者:上甲 宣之
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ドスコイ警備保障

面白いだろうな、と思って読みはじめ、やはり面白く、一気読み。相撲取りの警備会社という面白設定(でもけっこうリアリティがあるのがまたよい)ではあるが、単なるユーモア小説で終わらせていない。たぶん、設定がそれなりに現実味があるだけではなく、筆ヂカラによる説得力もあいまって、物語に引き込まれていく、つまりものごっついリーダビリティを発揮しているということであろう。また成功や失敗をしながら会社として成功していく、そして幸せになっていくという、ハッピーなところがいいのだろう。

この小説のいいところは、とにかくストレスフリーであることだ。トラブルや失敗はないわけではないが、基本的に(ギリギリご都合主義に陥らない程度に)常にいい方向に転がっていく。そしてそれは登場する人物が皆「いい人」であるからだろう。
もしかすると、一見バカバカしい設定がリアリティを持っていることに対応するため、キャラクターについては逆にファンタジー(夢)を持って描いているのかもしれない。

いずれにせよ、読んでいて疲れない。そんな小説である。お薦め。

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ドスコイ警備保障 (小学館文庫) Book ドスコイ警備保障 (小学館文庫)

著者:室積 光
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幽霊屋敷の謎

ナンシー相変わらず大活躍。今現在の読み方で読めば、牧歌的な登場人物たちとわかりやすい危機又危機という、とっても大味な作品なのだけれども、しかし、まあジェットコースターに乗っているような速度感があって、これはこれでいいかなぁ、と思う。

しかしなんでみんなナンシーのことをあっさり信用するかなぁ。

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幽霊屋敷の謎 (創元推理文庫―ナンシー・ドルーミステリ (Mキ5-2)) Book 幽霊屋敷の謎 (創元推理文庫―ナンシー・ドルーミステリ (Mキ5-2))

著者:渡辺 庸子,キャロリン・キーン
販売元:東京創元社
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夢の守り人

相変わらずのリーダビリティで一気読み。面白し。

この作者のファンタジーの魅力でもあり特徴でもあるのは、ストーリーは叙事的でありつつ、しかし、実際には登場人物の内面/感情といった普遍的な要素に、より字数を費やしているということだろう。それは、冷めた見かたをすれば(基本的に)新登場人物がおらず、既知の者達が物語を推進していくために、それぞれの心の動きをより深く描かざるを得ないから、ということなのかもしれない。しかし、そのために作品としての深みも出るなら、それは作話の方法論としては実に正しいと思う。

おなじみのメンバーばかりで物語が展開するということに対しては、嬉しい反面、正直なところ、ちょっとご都合主義的なのでは、という気持ちがないわけでもない。シリーズ作品はどれも同じようなことがいえるし、普段はそんなこと気にもしないのだけれども、本作があまりにも語り口が流暢で、かつ叙事詩的なダイナミズムも持っているため、なんでこの人たちばかりにトラブルが舞い込んでくるの? という外形的な部分が目立って感じてしまったせい。まあ、ふと思った程度なのでどうこういう話でもないか。

とにかく、早いところ次巻を待望している(元本で読めばいいんだけどね)。

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夢の守り人 (新潮文庫 う 18-4) Book 夢の守り人 (新潮文庫 う 18-4)

著者:上橋 菜穂子
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2008年2月 3日 (日)

美女採集

荒っぽく云ってしまえばオシャレ系雑誌のアート系グラビア写真ということなのでしょう。

今をときめく旬の女優達を動植物というキーワードで装飾武装(?)するというコンセプト。で、なるほどやりたいことは判るなぁ、というのが正直な感想でした。結局、自分にとっていまひとつピンとこなかったのは、コンセプトに仕上がりがついていっていないというか、何故にそのキーワードを選択したのかが出来上がりから判りにくいというか、そんなところでしょうか。別にコスプレ的なものを想定期待していたわけでもないんですけれど、作家の意図するイメージがあまりにも観念すぎるのかもしれないです。キーワードが具象化する必要はないと自分も思っていますが、作者内で解釈が進みすぎていて、元の素材がまったく判らなくなっているのですね、たぶん。
装飾がポストスクリプトで行なわれていて、モデル自身を素材化しきれていないところもコスプレ好きな自分の方向性とずれていたのかも。

とはいいつつも、最近、自分の写真のスタイルが、スナップから変化してきているので、いろいろと刺激を受けるところもあって、面白かったかな。

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美女採集Asami Kiyokawa catch the g Book 美女採集Asami Kiyokawa catch the g

著者:清川 あさみ
販売元:INFASパブリケーションズ
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