おまけのこ
ほのぼのとしつつどこか諦観じみた哀しみを醸し出す本シリーズ。定番的に読めるので、いまさらどこが面白いとか語ることも不要なのだけれど、ね。
前作今作と思ったのは、主人公一太郎を中心に話をまわすのではなく、脇役を主人公として語るエピソードが増えてきたことだろうか。今巻は特に、屏風のぞきや家鳴といった、サブのサブのキャラクター達が中心となる話がある。そのことによって、作品世界の広がりがでて、シリーズとしては妥当な成長をしているといえるのだが、しかし、反面、妖のキャラ化(シンボルとしての妖怪ではなくアイドル的なそれ。うーん、ちょっと上手く説明できないが)が、進むことにもつながっており、そういった萌えシロを増やすようなのは、ちょっとどうかな、と思わないでもない。もっとも、商売的にはそれもまた正しい選択なんだよなぁ。
(ま、そういう印象を持ったのはタイムリーにTVドラマがあったからかもしれないけれど)
おまけのこ (新潮文庫 は 37-4) 著者:畠中 恵 |
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