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2007年11月 7日 (水)

イガジョ!

冒頭の説明がこの小説の魅力のすべてである。そう断言する。以下はすべて付け足し。極論すれば、なくてもよし。それが率直な感想である。

バレーボールの発生起源に関する強烈に破天荒な設定は、かなりよい。ヘンに萌えに走ったライトノベルにするのではなく、起源から普及、盛衰の歴史論文書としてパッケージングすることができたのなら、今年のベストテンに入ったかもしれないのに残念なことである。もっともそんなバカな本を買うような奇特なバカは少ないだろうしマーケットして成り立たないのも当然理解はしているつもりだ。ただ自分がそんな本を好んで買いたいバカであるというだけのことである。

閑話休題。ストーリーとしては実に王道、お約束で、だから展開も伏線も幕引きもすべて想定範囲内。まあどう膨らませりゃいいんだよという気もするし、だからこその王道構造ということでもいいのかもしれないが、もう少し独創性があってもいいのになぁ、とは思う。
その独創性としてあるのが魔球なのかもしれないけれど、あれは(山田風太郎系?)忍法であって、魔球じゃあないのでは? レトリックでしかないのかもしれないが、普通に忍法ありのゲームであるとエクスキューズして、あとは忍法合戦でもよかったように思う。

まあ、はじめよければすべてよし的出オチの面白さはあったので、とりあえず後悔はしていない。

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