暴風ガールズファイト
一見、ライトノベルのようではあるが、実は至極まっとうなスポーツ青春ジュブナイル小説であった。設定はややステレオタイプではあるのだけれど、ヘンに萌媚びたところがなく、本当に普通に純粋に、熱い学生スポーツ小説として楽しめたのである。
まあ、女子校という設定上、あるいはラクロスという設定上、どうしても「マリ見て」や「プリキュア」を類推してしまわざるを得ないのが、現在の読者の共通基礎知識であるわけだが、本作はそれをも逆手にとって、例えば冒頭の書き出しがマリ見て調であったり、登場人物のひとりプリキュア好きの腐女子であったりと、様々な手法でもってあえてパロディ的に作中に取り込んでいる。そのことにより、単なる縮小再生産作品ではないポジションを自ら設定したといえるだろう。
で、そんな引用対象を選択するという点においては、本作はライトノベルとしてのカテゴリーになるのかもしれない。
まあ無理やりにジャンル分けをする必要などはなく、単純に熱血なストーリーに燃えてみればいいだけで、自分としてはかなりお薦めできる作品だったなぁ、と思うわけである。
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暴風ガールズファイト (ファミ通文庫 さ 3-5-1) 著者:佐々原 史緒 |
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