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2007年10月12日 (金)

世界平和は一家団欒のあとに(3)

シリーズ3作目。相変わらず家族の物語なのである。冒頭から、思いきりマコッちゃんのモノローグのようなはじまりかたではあったが、全体的には石田伊良的文体は弱くなっていたかなぁ、とも思う。物語が、たわけモノの父というトリックスターが出現したことで、スラップスティック的要素が増したせいかのかもしれない。

物語としては、軽いようで重い設定で、その決着のつけ方も実はすっきりと割り切れるものではない、スイートビターなテイスト。もっともこのシリーズ自身、スカッとさわやかな大団円を用意していないので、確かにそういう終わりしかないだろうなぁとは思うのだが、ちょっと切ないところではある。

まだ続けてもらいたシリーズではあるのだけれど、しかしこの作者の別の物語を読んでみたいという気持ちがかなり強くなってきた。

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