マリア様がみてる 薔薇の花かんむり
今までの悶々としていた関係が一気に解決した今巻。だから冒頭からもう甘甘な展開である。いや、もう、あれですよ。晴れて恋人同士になった二人がはじめての旅行に、とか、そういう一歩先に進む日のドキドキバクバクな感じが、すんごく表現されていて、実に微笑ましくも羨ましい。でもって、そっけなくいったん別れるところなんかも実にこう、ね、萌えますよ、読んでてこっちが恥ずかしくなるって。
今回の嚆矢は、ロザリオの誓いのあと、祥子と別れた後の祐巳と瞳子のやりとり。ドリルにあんな科白云われちゃあね。さすがツンデレプリンセスのドリルだけある。
まあ、話自体は、卒業間近ということもあり、そもそもが祥子×祐巳の物語ということもあり、祥子メインで進む。自分は祥子はあまりコナイので、その展開についてはまあ普通にストーリーとして楽しんでいるわけですが。
ところで、本シリーズであるが、概ね10年くらい続いていることになるのだね。自分自身はここ数年のフォローなのでそんなに厭世の感もないのだけれど(しかも大人になってから読み始めているし)、当初から読んでいる読者でしかもティーンで読み始めている人は今は、20代も半ば位だろうか? 読んでいて思ったのだけれど、文体などが、ここ最近のラノベブームに影響されてか、軽く(云っちゃえば子供っぽく)なっているように感じるのだ。なもんで、10年間読み続けている人、しかも子供から大人へ成長していった時期の読者にとっては、そこんとこどんな印象なのかなぁということが、興味深くあるのであった。
もっとも、今の読者は、後からフォローしはじめたお友達で、初期から読み続けるような読者なんかいないのかもしれないけれどね(んなことないか)。
ともあれ、そろそろシリーズ完結の方向もみえてきたような気がする。それが楽しみでもあり不安でもある。
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マリア様がみてる 薔薇の花かんむり (コバルト文庫 こ 7-55) 著者:今野 緒雪 |
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