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2007年10月 2日 (火)

駆けこみ交番

前作が、主人公の職業ビギナー成長物語として面白かったので期待していたのだが、読後の感想としては、ちょっと予想していた内容とは違っていたなぁ、であった。けして作品の出来がよくないということではなく、もちろん楽しめたことは楽しめたのだけれど、作品としての焦点が「成長」ではなくなったことと自分が読みたかったことの齟齬は否めなかったのである。
本作の中核にあるのはイリーガルヒーローズたる「とどろきセブン」にあり、彼らが如何にして暗躍したか、ということにある。この小説の面白いところはそのメインである主役たちを中心に物語を書き進めるのではなく、あくまでも仮の主人公高木クンの視点で話が進み、彼は結局、物語が終わっても「とどろきセブン」の存在に全然気づかないということにある。そんな物語構造が面白みではあるのだけれど、やっぱりこういう物語であるのならば、セブンの活躍をもっと書いてほしかったなぁ、と思わずにはいられない。

警察機構でガンバル話がすでに食傷気味な中、(「木更津」しかり)イリーガルな物語に取って代わるのはしかたのないことだろう。登場人物が規格外であることでキャラ立ちがはっきりし活き活きとした物語になるということもあるだろう。であるならば、その路線に一気にシフトしてもよかったのではないかなぁ、と思うのであった。

でも、それはあくまでもおねだりの部分であって、娯楽小説として完成度は高いのはいっておかねばならないのである。

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