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2007年10月 5日 (金)

扉の外(3)

神の視点で仕掛けられたゲームに否応もなく巻き込まれた者たちの物語という基本フォーマットは今回も同様であった。ただしバーチャルシューティング系ということもあり、ゲームとリアルという面がより前面に出てきている。それが逆に、ストラテジックなゲームに如何に対処したのか。という物語から、単にアクション小説的になってしまったきらいがある。まあ全巻同じようなテイストというのも芸がないので、これはこれでありなのかもしれないが、硬質的なアイディアが独創であったと思っているので、そこらへんはやや違うかなとも思う。

で。シリーズとしての完結なのだが、結局、謎の解明についてはほのめかしに終始し、曖昧なままであった。まあしかしそれはそれでいいだが、今巻のエンディングが、シリーズとしてのエンディング、つまりこれまでのエピソードすべてを包括するものになっていないのは残念であった。

結局、今巻限りの主人公がどうなったのか、ということでおわりにしてしまったところがその違和感につながっているのだ(しかもその主人公が策におぼれるいけすかないタイプなんだけど、それはまあ物語の出来不出来とは別の問題か)。ヘンにすべての謎を解き明かし、ハッピーにせよバッドにせよ、彼ら全員に対して何らかの決着をつけようとするのは大変だし、ありきたりなネタばらしになってしまうかもしれない。で、そのようなおわりにしかできなかったのかもしれないけれど、だったら、2冊目以降は繰り返しにしか過ぎなかったということになってしまい、1冊だけで終わらせたほうがよかったのかなぁ、という気がする。

いずれにせよ、独創力はそれなりに感じたシリーズではあったので、次回作に期待するところである。

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