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2007年9月 5日 (水)

幽霊屋敷ノート

新耳袋は、それなりに読んでいたのだが、あえてこの体裁のシリーズで読もうと思ったのは、子供向けであることによる「かたりもの」としての純化を期待したところでもあり、ジャンル/テーマによってまとめられた読みさすやでもあり、なによりもイラストによる絵物語的な面白さを求めたためである。

さっくりと読めるボリュームであることは、実はかなり好ましいのであった。大人向けのそれは、正直一冊の量が多すぎて若干のトゥーマッチ感を感じていたから。一冊を一気に全部読んでも流れないし、逆に数話ずつゆっくり読んでもいい。そういう読み方ができるのはいいな、と思うのだ。

イラストについては、いかにもオカルト的ホラー的な絵ではなく、ポップな絵柄でありつつ、しかし禍々しさが漂っているというテイストは、いいなぁと思うのだった。そのために買ったといってもいいので、その選択については正しかったなと思う。
ただ、「妖怪」のほうは、あまりにもインパクトがありすぎ。イラストというよりも、子供の落書きで、もしそれを意図的に描いたというのであれば、幼絵心を持った大人としてすごい才能だなと思う。逆にそういう絵しか描けないのだとするとそれはそれでスゴイことだなとも思う。絵、あるいはイラストとしての完成度は「幽霊屋敷」のほうがしっかりしているし、自分としても好きなのだが、夢に出てきそうなのは「妖怪」のほうだろうな。

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