時載りリンネ!(1)
なるほど、魔法少女ネタを再生産する上で、このような方法論もあるのね、というのが一番の感想だろうか。結局、時載りという一見オリジナリティっぽいアイディアは、煎じ詰めると時間系魔法の云い換えでしかないが、しかし単純にコピーしているわけではないという意思は感じられる。
自ら設計した設定に関するツメの弱さはあって、時載りが時間/因果を本質的に理解できないというアイディアは面白いが、それがエピソードにあまり絡んでこないのは勿体ない。また物語終盤、主人公リンネの独白で時間と世界について語るシーンがあるが、これは上述の設定を覆す内容、つまりいままで誰も為しえなかった時間を理解することができた時載りとなったことを表すものであり、このことが時砕き足り得る資格として描けるはずなのに、そのことには一切言及されていない。そこらへんの甘さが本当に勿体ないのである。
勿体ないといえば、結局魔法バトル的な物語になってしまったのも自分としては惜しいなと思うところである。前半の普通の夏休み、普通の日常という雰囲気、描写は少年少女のひと夏物語としてけっこうよかっただけに、結局、ありがちなライトノベル的展開にいってしまったのは残念である。
ともあれ、続くようではある。次くらいまではつきあってもいいかな、と思っている次第である。
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