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2007年7月 4日 (水)

五日性滅亡シンドローム(1)

人気イラストレーターらしいが、自分的にはちょっと違うかな、と。それは、まあ個人的に「萌え」要素を記号化しただけの絵に対してあまり惹かれないせいという極めて個人的な嗜好なので、好きな人はそれでよし、とは思っています。

で。それはあくまでも絵柄としての話。マンガとしてみた場合は、また違う印象と感想を持ちました。
まず興味深いのは、一応4コマの体裁をとってはいるものの、内容は全然4コマじゃないこと。基本的には4コマ目でオチ(らしき句点)をつける。という約束事が多かれ少なかれ、これまでの4コママンガにはあったのですが、この作品はそれがない。8コママンガ、16コママンガ、いかようにでも物語は進んでいくのですね。4コママンガの形式でストーリーマンガをやるのではなく、ストーリーマンガを(物理的に)4コマに割ったコマに描いているだけ。そういうスタイルになっているのです。これはあるようでなかったような、個人的に非常に新鮮な感覚でした。

さらに、そのような話とするため、セカイの終わりの噂によって崩壊寸前の社会という環境設定の中での非日常的日常生活という飛び道具が組まれており、4コマ目でオチをつけないという手法と相まって、物語はギャグではなく、シリアスなイメージが強くなっているわけです。自分的には非常に面白いなぁと思う次第です。
第一部の思いきりシリアス(?)な話も、第二部のややコメディ色の強い話も、基本的には重くのしかかる滅亡のムードという中での物語は、しかしマンガ的ではあるにも関わらず、最近はあまりみないなぁ、という点も注目すべきところではないかと。その破滅系セカイ系な物語は、実にライトノベル的であるというわけ。つまり、いったんライトノベルというジャンルの活字作品へ転移した設定作風が、再びマンガという形式に再転位した。その際に、ダイレクトに戻らず、ここ数年確立したストーリー系4コマという形式に落とし込まれていった。とそういう変遷が推測される。そこが面白いなぁと思うわけです。

まあ、話自体も突飛とまではいわないですが、十分に面白いと思えましたし、いろんな意味でお買い得なのではないかと思います(というほど、強烈にプッシュするほどでもないか)。

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» 『五日性滅亡シンドローム (1)』 [Cherryh's blog annex]
『五日性滅亡シンドローム (1)』 (まんがタイムKRコミックス)作者: ヤス出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2007/06/27メディア: コミック 多分、4コママンガの作者としてよりは、ライトノベルのイラストレータとしてより知られていると思われる作者のコミックス。 世界が滅亡するまでの5日間を4コマで描くシリーズ。この1巻は、不条理な状況でけなげに先輩を想う女子高生・不二とその周囲の人々を描く不二編と、世界を滅亡させるためにやってきた死神をややコミカルに描く死神編。 趣が違う2パー... [続きを読む]

受信: 2007年7月 8日 (日) 19時51分

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