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2007年6月 4日 (月)

武林クロスロード

ライトノベル新レーベル。というわけでとりあえず固め読みをしているのだが、その1冊目である。

いやぁ、驚いた。ライトノベルの範疇を超えてるよ、ヘンな方向において。ちゅーか、エロ表現において。まがりなりにも少年少女を対象とするライトノベルにおいて、エロに関していえば、やはり基本は寸止めであり婉曲であり隠喩であると思うわけですよ。現実問題として実生活において乱れているのが常だったとしても、非R18作品において、官能小説バリの行為行動を文章化するのはいかがなものか、と。しかも相当ムチャな百合っぷり(?)だし。つまり、美少女系アダルトコミックを小説にしました。とそういう作品であるわけだ。

で。しかし、だ。自分はけしてそれに対してダメ出しはしませんよ。だって、面白かったから。ヘンに遠慮しないリミッター振りきりっぷりも潔く、エロについても(ライトノベルで、という前提つきでだが)かなり愉しませていただいた。バイオレンスについては可もなく不可もなくといったところだが、ヘンに辛酸になるよりはいい。それにこの小説はやはりエロを書くために書かれたものだと思うしね。でなければクライマックスが戦闘ではなく拷問(という名の濡れ場)である必然性がない。とにかく、作者の意図は明確で、それにうまく乗ることができれば話を堪能することができるというものであった。

まあ、不満がないわけでもない。自分も武侠についてはかなり思い入れがあり、故に武侠に関する安易な設定については「おいおい違うんじゃないの?」と思うのである。功夫はけして魔法の力ではないし、武侠は超人的な達人ではあるが、それは超人ではないだろうと思う。むしろ(侍魂に近しい)生き方であり、死に方であったりするのだ。
でもそれは一般論(でもないが)であり、この作品という架空の世界の中では、そうなんです。という主張によって形づくられている部分においてブレはないので。自分はそれを許容し、作品として愉しませていただいた。

それにしても全員巨ニューという設定といい、ビバ半陰陽という設定といい、ホントわかりやすいなぁ。こんな飛び道具的小説をライトレーベルでGOサインを出した編集部に軽く拍手をしたい。

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