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2007年6月10日 (日)

扉の外(2)

正直、前作で完全に話が閉じているので、どうやって続編にするのか非常に興味があったのである。期待半分不安半分。結果として、基本的な設定は変わらず、しかし、一義的な課題はまったく別もの、登場人物も別ものというシステムを採用したわけだ。まあ、順当に考えればそういうことになるのだろうな。

さて、そういったわけで、新たな閉塞環境による物語は、よりゲーム色が強くなっている。ストラテジックなウォーゲーム的、あるいはボードゲーム的な前作から、カードゲーム的な物語となっている。舞台自体もそれを成立させるべく冒頭からフロアを変えている。ある意味、アイディアを成立させるために無理やりな感もあるが、前作後半で提示された設定を前提とした展開になっており、それは順当だと思う。
で、ゲームだ。ゲームの法則規則が少々判りにくく、また、ワンアイディアで最後の最後まで引っ張っており、あまり複雑な構造にはなっていない。そんなシンプルなゲーム構造に特化された空間での右往左往する学生達のエゴイズムの物語である。その描写的作話技術は、この作者の特色なのだろう。自分は、それなりに気にいっているのだけれども、屈託した部分が鼻につく人はいるかもしれない。

あと、前作で巧みに回避されていた性的なコンフリクトについては、比較的あからさまになっており、そういう点で多少生々しくなってきている。まあ現実的にはそうなってしかるべきだと思うのだが、前作のエクスキューズを引用せず、むしろ暴力行為との代償的に表現しているのが、インフレ的な感じがあって、これも好き嫌いがあるかもしれないなぁと思う次第。自分としては、まあアリです。

今回のラストは前作の余韻とは逆に、次回への強い引きによって終わっている。といいつつ、ここで終りとしても全然問題のない部分でもある。おそらく次巻を意識しての布石ではあるのだろうけれど、無理に続けることなく完結としてもらってもいいのになぁ、と思うのだ。

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