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2007年6月22日 (金)

オイレンシュピーゲル(2)

相変わらず読みにくい/特殊な文体/微妙に違和感=作者の思惑空回り。ではあるが、それさえ慣れてしまえば、実にスタンダードな、近未来ポリティカルアクション/SF/ライトノベル/士郎正宗フォローワーだろう。

この手の小説は勢いで読ませることが重要で、それが物語のダイナミズムにもつながっていくのだと思うのだが、文体がアレなもんだから、速度感を欠いているように思うのだ。もっとも自分が思っている以上にコンサバで、受け入れ態勢に戸惑っているだけなのかもしれない(=けっこうイタイ自己発見)。

内容として非常に王道/定石な物語である。だからといってお仕着せだとは思わないが。それはそれなりに独自の世界史観による構築がなされているからだろう。その点においてはやはり上手いと思う。特に今回は泣かせる話であったりもして、まさにコレゾな感じはあるのだ。

それにしても、もっとスムーズに作品を堪能できたら、という気持ちは払拭できないのもまた事実。むしろ、アニメとかマンガでビジュアルとして体感すべき物語なのかもしれない。

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