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2007年6月17日 (日)

神様のメモ帳

(必要以上に持ち上げているかもしれないですが)

いよいよもって、アウトサイダー達の探偵小説となってきた。つまり、要するにIWGPなんだけどさ。正直、主人公が高校生だからライトノベルレーベルで成立(?)しているけれど、猩猩人物たちの設定年齢をプラス5才ぐらいにしてやれば、文春や幻冬、あるいは創元推理あたりの推理小説として十分にいけると思う。
(またまた繰り返しになるけれど、ライトノベルだからダメなんじゃなくて、一般レーベルにすることで読者層が広がるだろうに、ということである)

結局、行動する者達の物語というハードボイルド探偵小説の基本としっかりと押さえていることとがすべてなのではなかろうか。現実味のある謎と展開、安直に堕さないコンフリクト設定、リアリティある登場人物たちの心情をきちんとフォローしつつ、ヘンにぐずぐずさせず、行動させる。その緩急のつけ方が見事なのである。
クライマックスからラストに向けて甘いともいえるかもしれない。しかしべたつかない程度のウェルメイドは望むところである。

あまり内容についてまでふれることはしない(いつもしてないけど)。とにかく読んでくれ、と。それだけはいいたい。07年上半期がそろそろ終了するところではあるが、今年の収穫のひとつは、このシリーズだろうと、確信しているからだ。

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『神様のメモ帳 (2)』作者: 杉井 光出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2007/06メディア: 文庫 ひきこもり探偵第2弾。 前作はどちらかというと巻込まれ型というか、そういう立場だった主人公も、今回はニート探偵・アリスを頼って尋ねてきた少女を積極的に匿い、助ける立場に。 前作のヒロイン、彩夏のその後がエンディングに出てきて、うーん、それはちょっと無理矢理では、という気もするけれど、それはそれとして、総じてうまく話が流れていて、どたばたがうまく転がっている感じ。最初は無力で... [続きを読む]

受信: 2007年6月23日 (土) 20時16分

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