神様のメモ帳
(必要以上に持ち上げているかもしれないですが)
いよいよもって、アウトサイダー達の探偵小説となってきた。つまり、要するにIWGPなんだけどさ。正直、主人公が高校生だからライトノベルレーベルで成立(?)しているけれど、猩猩人物たちの設定年齢をプラス5才ぐらいにしてやれば、文春や幻冬、あるいは創元推理あたりの推理小説として十分にいけると思う。
(またまた繰り返しになるけれど、ライトノベルだからダメなんじゃなくて、一般レーベルにすることで読者層が広がるだろうに、ということである)
結局、行動する者達の物語というハードボイルド探偵小説の基本としっかりと押さえていることとがすべてなのではなかろうか。現実味のある謎と展開、安直に堕さないコンフリクト設定、リアリティある登場人物たちの心情をきちんとフォローしつつ、ヘンにぐずぐずさせず、行動させる。その緩急のつけ方が見事なのである。
クライマックスからラストに向けて甘いともいえるかもしれない。しかしべたつかない程度のウェルメイドは望むところである。
あまり内容についてまでふれることはしない(いつもしてないけど)。とにかく読んでくれ、と。それだけはいいたい。07年上半期がそろそろ終了するところではあるが、今年の収穫のひとつは、このシリーズだろうと、確信しているからだ。
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神様のメモ帳 2 (2) 著者:杉井 光 |
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