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2007年3月30日 (金)

世界の中心、針山さん

なんとなくノーマーク、というか食わず嫌いだった成田作品。今回ちょっと読んでみようかなという気になって、挑戦してみたのだけど、ああ、なんともったいないことをしていたのだろう。もっと早いうちに読んでしかるべきであったぞと、反省することしきりである。つまり。ものすごっつい面白かったのである。

なにより文章に力があるのだ。吟味された言葉を選んでいて、よくあるライトノベル的な甘さはない。かといって軽妙さがないわけでもなく、非常に読みやすいのである。おそらくは登場人物の行為行動といった外面と、登場人物の心の動きといった内面を、どう書き込むと読者にきちんと伝わるのか、ということを先天的に知っているのだろう。
単純なおのまとぺに頼らず、言葉で伝えることを基本としていることも好感度アップのポイントであろう。このことが逆に、話が盛り上がるパートでおのまとぺ的な表現を挿入した際の効果を増幅させているのだ。しかもタイポグラフィカルな描きによって書かれた文字による認知だけではなく、絵づらの直感による情報となっている。

物語作話技術として(いい意味で)非常にセオリーにしたがっている。具体的には「魔法少女」を例にあげるが、これは明らかに泣かせるための常套手段だよな、と思うわけだ。しかし、なまじ読ませる力があるからぐいぐいページを繰ってしまい、故にまんまと泣かせるポイントに“はまる”のである。正直泣きました。

事ほど左様に手を変え品を変え、お題拝借的に物語が進む。最終話ですべての出来事が収斂し、決着する。その見事さ。いや、本当になんでいままで読まなかったのだろうね、自分。

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世界の中心、針山さん Book 世界の中心、針山さん

著者:成田 良悟
販売元:メディアワークス
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2007年3月28日 (水)

鉄子の旅(6)

普通とは異なる視点での旅は基本的に面白い。今一番熱いとされている(?)鉄モノとして、こういう旅の楽しみ方もあるのだということを知ることができたのが、自分にとっての一番の収穫でした。あと、「テツ」の生態について学んだという、生物学的見地での興味深さも十分にあったですねぇ。

自分は鉄道に対して過度の思い入れはなく、知識を増やしてそれを悦びとするような考えもない。その点において自分はテツではないんだなぁ、ということは再認識したのですが、しかしだからといって鉄道による旅は嫌いではないし、例えば蒸気機関車に乗る等のそれ自体がイベントになり得る関わりについてはけっこう企画したりもするわけです。そこまでを捉えるならば、自分もまたテツ気質なのかなとも思いますが、それは拡大解釈過ぎるかな? まあ、旅好きならば多かれ少なかれ鉄道を意識せざるを得ないということでしょう。

しかし、全巻を通して、やはり主人公の性格は好きになれなかったですねぇ。自己の興味の対象外に対する極度な無関心さ無神経さについては、自分とは極北の存在。多分、そばにそういう人がいたらキレテシマウカモ。というのは云い過ぎかもしれないけれど、とにかく、ダメなんだよね。今巻においては韓国編でその印象が顕著で、この人はなんでそこまで新しい知識や経験を得ることについて鈍感でいられるのだろうとかなりイラついたりしました。マンガの登場人物について怒ってどーするのよ、と我ながら恥ずかしかったんですが。まあそういう自分とはまったく異なるスタイルの生きかたをしている人もいるんだなぁという感慨はありましたが、ね。

ともあれ、旅心をいたく刺激するマンガであったことは確かだし、今もどこかに行きたくていてもたってもいられないのも事実です。

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鉄子の旅 6 (6) Book 鉄子の旅 6 (6)

著者:菊池 直恵,横見 浩彦
販売元:小学館
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2007年3月27日 (火)

ロリヰタ。

モードとしてのロリータをキーワードに、実はその語源的ポジションであるナブコフ作品に対するオマージュ、現代的視点による類型解釈の物語となっている。ある意味、衣装としてのロリータは物語機能としてはフェイクとなっている。伏線ではなく、作品を読む者が、まんまナブコフを思い浮かべることのないように、あえて誤読してもらうための仕掛けとなっているわけだ。

自分も中盤まで、これはロリータというファッションの物語であると思っていただけに(まあヒロインが“そういう年齢である”ことは容易に想像はついてはいたが)、ロリータ=ファッションとロリータ=恋愛対象という、物語装置としての主従の逆転に気づいたときは、ああ、そうか、とかなりやられたのであった。

あくまでもロリータという存在に対する自己の有り様(と社会との差異)の物語であり、ロリコンの物語ではないというのが非常に重要で、おそらく普通に読めば、純愛小説といってもいいのだ。でも現実社会において、奇妙奇天烈な格好をしたオッサンが少女とつきあっております、恋愛感情はあります。といわれても、ね。やはり、オイオイと思ってしまうだろうなと思う。社会におけるマイノリティは、それを貫きとおす強い意思が必要だし、あるいは社会の視線を気にしない鈍感さが必須なのだろうなぁ、と思うのであった。

同録の「ハネ」についても実は同様のことがいえる。いかに社会に対して自己を自己として守るか、アイデンティティを失わずにいられるかの物語である。

この2作品を読むと、ひねくれた見かたをすると強い意思を持った愛情とは、なんのことはない、単なるナルシズムなのでは? と思ってしまったりもするのだけれど、そんな救いのなさは実は心地よいなぁとも思う。所詮、自分もまた自己憐憫によって存在するからなのだろうな。

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ロリヰタ。 Book ロリヰタ。

著者:岳本 野ばら
販売元:新潮社
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2007年3月25日 (日)

パノラマデリュージョン(1)

女子校生にして心霊捜査官という、まあなんというか実にベタな設定で、正直なところ「何故にこのような萌えねらいのマンガを小原慎司が描くのさ」という違和感はある。小原マンガに似つかわしいのかというとなんか違う気がしてならないのである。

しかし反面、もしこの物語をまんま萌え系マンガ家が描いたら、おそらく凡百の類型作品に埋もれてしまうはずで、逆説的に小原が描くことに意義があるとも思うのだ。

とりあえず、とっつきの感想はそんなところなのだけれど、けしてつまらないわけではない。幽霊と社会(というよりも法律か)の在り様を主軸に、主人公の家族の事情に含みを持たせつつ連作物語として、面白かった。
自分の認識として小原作品のよさは、飄々として乾いた喜怒哀楽、オフビートな展開にあると思っている。その特性はまだ生きてきてはいないが、その伸びシロはそこここに見い出すこともでき、今後の広がりが楽しみなところである。

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パノラマデリュージョン 1 (1) Book パノラマデリュージョン 1 (1)

著者:小原 愼司
販売元:講談社
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Dr.リアンが診てあげる(1)~(5)

バカ炸裂である。ここまでちんこやおっぱいという単語が登場するエロではないマンガは、みたことないっすよ。あ、エロマンガって直接的な単語は実はあんまり出てこないから、つまり世界で一番、ちんことかおっぱいとか出てくるマンガってことだね。ギネス級だね!

下品か、というと、まあ確かに下品なんだけど、なんか清々しさっちゅーか潔さっちゅーか、突き抜けた爽快感はある(突き入れた、そう、カイカン?じゃないよ)。エッチで下品ではあるが、エロさはないせいか? 登場人物の仲のよさ(中のよさ?じゃないよ)が、テキトーなまったり感を生んでいるのかもしれない。

ネタ素材的にはいかにも頭悪いんだけど、しかしこれだけの量(5巻分)まるまる、シモネタだけで展開させるのは頭のキレが必要だと思う。まあ、中学生レベルの妄想をそのまま垂れ流しただけともいえるが、面白いんだからよしとしますよ。おかげで、自分も連想がバカなシモネタばかりになってしまいましたけれどね。影響されてるなぁ。一気読みするもんじゃあ、ないね(笑)。

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Dr.リアンが診てあげる (1) Book Dr.リアンが診てあげる (1)

著者:竹内 元紀
販売元:角川書店
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Dr.リアンが診てあげる (2) Book Dr.リアンが診てあげる (2)

著者:竹内 元紀
販売元:角川書店
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Dr.リアンが診てあげる (純情派) Book Dr.リアンが診てあげる (純情派)

著者:竹内 元紀
販売元:角川書店
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Dr.リアンが診てあげる (The movie) Book Dr.リアンが診てあげる (The movie)

著者:竹内 元紀
販売元:角川書店
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Dr.リアンが診てあげる (夏) Book Dr.リアンが診てあげる (夏)

著者:竹内 元紀
販売元:角川書店
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2007年3月23日 (金)

ダンスインザヴァンパイアバンド(2)

 2巻を読んで面白いなぁと思ったのは、この物語が1巻単位で章を区切っているところ。とりあえずストーリーモノのマンガであり、1巻目で敵対する存在との争いが起こり、とりあえずの解決をみるという展開からすると、話はそこから素直に継続するものだろうと思いきや、継続はしつつも舞台は、がらっと学園モノになる。まあ、とはいいつつ、路線変更したわけでもなんでもなく、物語の大きな流れの上での場面転換であり、まったくの別の話ではない。というところが、また面白い。
 それはフツーなんじゃないの? といえばそのとおりだし、違うといえば違うし、なんとなく、あれ? 面白い広げかただなぁ、と思うレベルの感覚ではある。

 あるいは、海外モノのTVドラマ的であるともいえるのかなぁ。それもちょっと違うか。とりあえず、今回も章立てとしての起承転結はしているので、3巻目はまた微妙なバリエーションで第3章となるのだろうか。

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ダンスインザヴァンパイアバンド 2巻 (2) Book ダンスインザヴァンパイアバンド 2巻 (2)

著者:環 望
販売元:メディアファクトリー
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2007年3月22日 (木)

メイド刑事(4)

なんか身体が馴染んでしまって素直に楽しんでいます。直球ストレートでひねりまったくなしの物語も、冷静に(あるいはいつものようにヒネた見かたで)考えれば、もう少し緩急つけたり伏線を張ったりしたほうがいいんじゃないのか、とか云うところなんだけれど、まあそういう形式の物語じゃないということは折込み済みだし、シンプルであるが故に、スピード感やダイナミズムが生まれているだし。

そういう意味では、メイドであるという作品本質部分でのアイデンティティについても実は曖昧で、現在の萌えのトレンドだからというところでしかいい表せないところも変わっていないのだけれど、それもまたひとつの「待ってました!」的な流れで楽しんじゃっている自分に気づくあたり、いやホント、慣れ親しむことって大事だよね。

5巻目が待ち遠しいかぎりです。

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メイド刑事4 Book メイド刑事4

著者:早見 裕司
販売元:ソフトバンク クリエイティブ
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2007年3月21日 (水)

水曜どうでしょう(8)激闘!西表島

自分の旅のスタイルにかなり影響を及ぼしている「水曜どうでしょう」。そのDVDが久しぶりに発売。というわけで、春分の日という貴重な休日を無駄に浪費して、視聴するのであった。しかも副音声バージョンもみたわけで、本当に半日、モニター前で過ごしたのであった。我ながらバカだね。

沖縄好き、八重山好きの自分である。南の島のゆるい空気感を自らの経験として持っているだけに、今回の西表島編は、だからいつもの「どうでしょう」であるという楽しみ方以上に、くるものがあったなぁ。

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2007年3月16日 (金)

魔法使いのたまごたち(2)

今回は主役級登場人物達6人それぞれがいかに友達となるかということを通じての、キャラの掘下げ的な巻でしたね。まあ悪くはないです。ただちょっと食い足りないかなぁ、と思うところもないわけではなく、リリカルを追求するあまりダイナミズムが弱くなったといったところでしょうか。

ま、大きな物語自体の動きについては次回以降に乞うご期待といったところですかねぇ。

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魔法使いのたまごたち 2 (2) Book 魔法使いのたまごたち 2 (2)

著者:石川 マサキ,雑破 業
販売元:講談社
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2007年3月15日 (木)

砂の城の殺人

※ 注意! 文中、作品の謎の真相を推測させてしまう記載があるかもしれません。

またまた己の狭了力を発揮してしまったのか。いまひとつ楽しむことができなかった。思考実験としてのミステリーとしての構造に関しては確かに正統派、王道であり、その点については異論も反論もない。そのとおりです、というだけである。

ただし。謎、すなわち読者に提示される問いについては、もう少し驚かせてほしかったなぁと思う。確かにハウダニットについては謎とそれに対する複数の解釈を示し、なるほどねぇ。という感想ではあるが、しかし、フーダニット、そしてホワイダニットに関してはあまりにも判りやすく、謎の提示時点でモロバレに近い状態になっている。それをごまかすための作為が主人公の短絡的な判断を表記するだけ、というのはあまりにもどうなのよ、と思わざるを得ない。だって、主人公がオバカであることは読者はまったくもって承知しており、このコの考えは概ね間違いであると容易に推測し、結果、逆説的に真相に気づいてしまうというわけだ。

もうひとつの課題は、主人公の魅力のなさ。これは自分だけの感想なのかもしれないが、あまりにも短慮でただキャーキャー騒いでいるだけ。好意を持てないのである。例えば、スペインに行くという強い意思はいい。しかし一人で行くと決めているのならば、せめて語学ぐらいはどうするのか考えるのが普通だろうに、そんなそぶりもない。そういう気持ち先行、実現能力皆無的なキャラクターに、愛着は持てないのだ。もちろん、本作が思考実験としての本格推理であり、キャラクター性を重視する必要がさほどないのは本当であろう。しかし、上述のとおりエクスキューズを主人公に負わせている部分が多分にある場合、ある程度の信憑性を感じさせるに足る人物造形は必要だと思うのだ。

というわけで、かなりきびしい見かたをしてしまったわけだが、解説で指摘されてしまったように、これって「自分の老い」のせいなのかしらね。

ちなみに今回一番きれいなミステリーの解だと思ったのは、主人公の父親の所在に関する答え。実にスマートな推理とその実証を行っている。その点においてこのシリーズにおける名探偵役の面目躍如といえるだろう。

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砂の城の殺人 創元推理文庫 Book 砂の城の殺人 創元推理文庫

著者:谷原 秋桜子 (ショウコ)
販売元:東京創元社
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2007年3月14日 (水)

銀星みつあみ航海記 LOG.0

軽い宇宙モノSFとして楽しめた。自分の読前感として、戦史モノだとそれだけでマイナス加点なのだが、本作に関しては純粋(でもないが)地に足の着いたスペオペとして普通に堪能できたなぁ。

作者の作話手法は、一難去ってまた一難、というか、危機また危機、というか、トラブル数珠つなぎ的なところがある。要するに小さなエピソードを積み上げて物語にしていくということだが、これは反面、大きな流れやうねりといった1冊を通して読んだ場合の物語のダイナミズムとは縁遠くなってしまうところがあるように思う。具体的には、伏線をはって後半それが生きてくるというような、そういう作話にはなっておらず、章単位で間接してしまっている。
それは、あくまでもそういう物語であるというだけで、作品の質を問うものではない。ただ単にそういう書きかたなんだなぁと気づいたというだけの話である。ただ、いつか自分がその点が鼻につきだしてしまって否定的なことを云い出しそうが気がしてそれが怖い。ちょっと己の許容量を増設しておかないといけないなぁ、ここ最近の自らの反省点として。

まあ、作者は物語をダラダラと続けることなくきちんと終るべきところで終えることのできる作家だということはわかっているので、大丈夫でしょう。

とりあえず、短いスパンで作品がリリースされていくようなので、楽しみである。

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銀星みつあみ航海記 LOG.0 Book 銀星みつあみ航海記 LOG.0

著者:鷹見 一幸
販売元:角川書店
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2007年3月12日 (月)

超鋼女セーラ(2)

前巻でなんであれだけ推したのか自分でもよくわからん。ちゅーぐらいに、なんだかなぁ、という読後感であった。ものごっついベタな萌えシロだらけのライトノベルというスタンスは今巻も前巻もまったく同じなので、おそらく現時点での自分の許容力がミニマムってるからなのかもしれない。簡単に云いかえると、安直なラブコメはもうノーサンキュー。ということですよ。

どうやら、ロボット娘とのラブ模様という設定があまり意味をなしていないのに、そこにこだわっているところに違和感があるのではなかろうか。概括的にみれば、道ならぬ恋のバリエーションでしかないわけで、しかもそれが物語を推進していく上でのハードルでもなければ、エクスキューズでもない。単にそういう設定だったとういだけ。それならそれで、ひたすらにラブラブストーリーに徹してしまえばいいのに、ヘンに策謀やら陰謀やらを組み込まれたおかげで、中途半端にキナ臭くなっていたりして、ね。うーん、ちょっとこちらが求めているものと違っているかなぁ、と思うのだった。

あるいは、前巻が予想外に楽しめたせいで自らハードルを高くしちゃってたのかもしれない。

別にダメ作品とはいわないけれど、まあ、そんな感想です。

それはそれとして、自分の萌え点ってツンデレじゃあなくて、普段しっかりテキパキしているのに急にデレデレになる(厳密にはツンツンではないでしょ)だということを実感した。そこについては萌え萌えだよ。

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超鋼女セーラ(2) Book 超鋼女セーラ(2)

著者:寺田 とものり
販売元:ホビージャパン
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2007年3月 9日 (金)

ドラグネット・ミラージュ(2) 10万ドルの恋人

基本的に好きなシリーズでもあり、今回も楽しめたのだけれど、第1作の基本アイディア一発勝負的なインパクトがなくなった分、いろいろと気になるところも見えてきちゃったなぁ、というのが正直な感想である。

アメリカの刑事ドラマがモチーフとなっており、自分としても嫌いではないのだけれど、登場人物があまりにもステレオタイプではないかなぁ。特に強面の部長はその最たるもので予想どおりの行動言動をとる。しかしそれが「待ってました!」的な部分でもあったりするので、必ずしもイケナイと一義的にはいえないのだけれど、定番と典型についてはなかなかに難しい問題ではあるなぁ、と思う。

(ライトノベルにはよくあるのだが)文章のぬけが悪いような感じもちょっと引っかかった。ようは、なんでここでその言葉を使うの?というような言語選択のミス、という程でもないが、もう少し適切な言葉があるんじゃないのかなぁ、というような微妙な隔靴掻痒感は、気にならない人には気にならないのだろうけれど、自分としては、アレ?と思うところである。例えば、部長の小言から逃げてきた、という言い回しがあるが、状況的には、小言がヒト段落して解放された、のであり、逃げた=話途中で離脱した、という表現では適切に場面を描いていないと思う。そういった、些細なトゲが散見される。まあ、自分が気にしすぎなんだろうし、狭了なんだろうとは思うのだけれど、どんなもんだろう。

というわけで、否定的なことばかり書いてしまったが、本当に気に入っているシリーズだし、面白かったのである。次巻も期待しているのである。しっかりとシリーズを全うしてほしいと願う次第である。

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ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 Book ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人

著者:賀東 招二
販売元:竹書房
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2007年3月 6日 (火)

メリーゴーランド

ある(公務員だけど月給商売という意味で)サラリーマンの2か月間のおまつりの物語である。まつりのあとが物悲しいのと同様に、物語のエンディングもほろ苦い諦観がある。しかし、まつりそのものの、狂騒といってもよい熱いたたかいは爽快であり読んでいて非常に心地よいのである。だから、読後感は清々しいのである。まあ、誰が読んでも概ねこのような感想であるようだ。つまりは上手く仕上がったエンタテイメントということなのである。

初期の頃のドタバタ調ビジネスユーモア小説のテイストを感じさせつつ、カリカチュアライズされた地方自治体の硬直っぷりという毒を多分にまぜ、結果、単なるドタバタに終わらないコメディに仕上がっているのだろう。もちろん、主人公に巻き込まれ協力していく事となる面々のとぼけた侠気(?)も見事。個人的にはお役所の「オヤクショ感」の過剰な戯画化に爆笑したのだが、実際、地方都市の役所での大きな声ではいえないイロイロな噂を聞く機会が多いだけに、なまじ小説だからと、いいきれないのよね、と哀しくなったりもしました。
(本当、老害は百害あって一利なしなんだよっ)

ともあれ、一気に楽しめるお仕事小説でした。

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メリーゴーランド Book メリーゴーランド

著者:荻原 浩
販売元:新潮社
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2007年3月 5日 (月)

さよなら絶望先生(7)

相変わらずの言語遊戯と思考実験に満ちた自虐的ギャグで楽しませていただいております。

マンガ家は(一部を除いて)誰しも描き続けていく中で絵柄が洗練していくもので、これは描き慣れていくということもあるだろうし、時代のニーズ/トレンドに近づいていくせいもあるだろう。久米田康司に関しても然り。特に「南国」中盤以降、どんどん絵柄が洋式美的なポップさを帯びてきて、そこに久米田絵のオリジナリティが出てきている、と自分は思っているのですね。
で。これまで、自分の絵の変化に対して作者はどれだけ自覚的かということについて、けっこう気になっていたのですが、今回、昔の絵柄という、ある意味禁断のネタを使っているのでした。なるほど。
いや、マンガ家が無自覚のままで絵柄が変化することはないとは思っていたのですが、過去の絵柄に回帰することがあるのか、あるいはできるのか、ということな気になっていたわけです。だって、自分が「今はこの絵がオレの絵である・イコール・無理せず描ける絵である」ということなわけで、それを無理に矯正することは可能なのだろうか、と思わずにはいられないでしょう。

今回、できなくはない。ということがわかって、ひとつ疑問が解けました。

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さよなら絶望先生 第7集 (7) Book さよなら絶望先生 第7集 (7)

著者:久米田 康治
販売元:講談社
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