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2007年2月 7日 (水)

銀星みつあみ航海記(1)

冒頭、世界設計の解説で、宇宙に広がった人類が星間戦争をしていて云々と語られるわけである。正直、げんなりするわけである。前々から述べているとおり自分は架空戦史モノは大嫌いなのである。単に舞台を未来や異世界に移しただけでそこにセンスオブワンダーなぞないと思っているのである。命や平和を弄ぶ安直なシミュレーション小説などノーサンキューと思っているのである。
自分の期待していたのは、熱線銃を片手に水着のような宇宙服で宇宙を飛び回る明快スペオペなんだけどなぁ、と心の中で思いつつ読み始めたのだった。

結論。読まず嫌いっていけないんだなぁ。一気読みに面白かった。宇宙船乗りの心意気の物語、ライトスタッフの物語なのである。ネタとしてはあまりにも使い古されたアイディアではあるが(作者自身、章題にも使っているとおり)、そこに描かれる「プロ」達のありようについては、ちょっとグッときた。いや、告白すれば、だ。第一のタンホイザーゲート進入のシークエンスには本気で目頭が熱くなったのだ。ま、全編そんな感じで話が進むわけで、そりゃ読んでいて熱くもなるってもんです。

作者は、そんなに文章巧者ではないとは思う。状況や設定を登場人物の説明科白で処理するのは、あまりあからさまだと鼻白んでしまうのだが、そのようなさりげない表現力については意識していないようだ。(これは自分のまったくの直感なのだが)上述のようなエピソードを連ねてエモーショナルな物語に仕上げていくタイプの作家は往々にして、このような文章を書く人が多いように思う。まあ人それぞれ、なのでそれが欠点と云うつもりはないが、ちょっと感じたので触れておく。

というわけで。なるほど、それは面白い作家なのかもしれないと思った次第である。「でたまか」も人から勧められていつつ、タイトルのちゃらっぽさと冒頭の読まず嫌いがあったのでなんとなく気が引けていたのだが、ちょっと読んでみてもいいかしら、と思う今日この頃である。

追記。タンホイザーゲートって一般的な固有名詞化しちゃってるんだけど、どうなんですかね。別に他作品の引用がいかんとは思わないけれど、「トップ」みたいな引用だらけの作品ならまだしも、オリジナルの世界観の中に紛れ込むのは、お遊びが過ぎるような気がしないでもない。(でも本当に一般化しているのであるならば、それは自分の知識不足なのでどなたか教えてください)

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