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2007年2月19日 (月)

扉の外

ゲーム化された閉じた空間での心理サスペンスといえば、映画だったら「CUBE」が連想される。本作も基本的にはその系譜に入るのだろう。とはいうものの、すべての謎を設定に支配されており、その解決あるいは脱出がクライマックスになるのかな、と思いきや、第2章で話は違う様相を帯びてくる。具体的には、閉鎖された室内から、別の世界への広がりがあり、設定との闘いから、プレイヤー同士の戦いへと変わるのだ。個人的にはその展開はそれまでの個々の登場人物の心理劇から、よりストラテジックにゲーム化された世界となっていて、ライトノベル的だし、ちょっともったいないなと思わないでもないが、まあそれはそれで面白かった。

全体的な基調としては主人公のクローズドサークルに対する忌避感と脱出にある。茶化し気分込みで云えば「この支配からの卒業byオザキ」というところなのだが、それはそれとして、冒頭からドロップアウトしてしまうためにトリックスターにならざるを得ず、ゆえにサークルに小波が立ちまくる展開となり、構成としてはなるほどと思うところではある。(だたし、現実問題としてそんなに短慮な行動をするとは思えないという気持ちもあるが)

エンディングのアンチクライマックスは、もう少しストーリーテリング的にきっちとした決着があってもいいのでは、という気持ちと、状況のみあれば物語は成立しているというという気持ちもあって、正直自分でも微妙ではあるのだけれど、判りやすくオトサナイという心構えはけっこう気に入っている。

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