猫ラーメン(1)
ネコ好きとしては、そしてバカマンガ好きとしては、たまらないマンガですよ。ネコのラーメン屋なんつーネタでどこまで話を広げられるかという野心作。なんちって。大将と常連田中さんの強ボケと弱ツッコミに微苦笑しつつ、なんとなく癒されていくのであった。
ただ、そんな手放しで「くぅ~っ」ときている自分ではあるが、単純に大将キター的なとろけ気分だけではなく、実はちょっと読んでいてつらかったりもするのだ(じゃあ手放しじゃないじゃん)。
自分はどうも、いたいけなる者、邪気無き者が努力しつつ、それが空回りしていて成功していないというような状況に出会うと、切なくつらい気持ちに襲われてしまうのである。例をあげれば、近所の床屋さんが子どもを喜ばせようと店の扉に大きく動物の絵を描いたはいいが所詮は素人仕事であまり可愛くなく誰からも見向きもされていない、とか。そういう感じ。つらいんだよ。街を歩いてたりするとけっこう実際に出会っちゃうんだよ。
自分どれだけナイーブなんだよ。と我ながら思うところもあるのだけれど。勘違いの努力が報われていない、報われようもない、というのは、切ない。ほんに切ない。
といいつつ、このマンガはそこまでつらいという程でもないのは、空回りしている当の大将が全然凹んでいないというか、むしろさらに輪をかけて勘違い上等な暴走をしているせいであろうか。それはギャグマンガの基本であるのだが、それが救いになっているように思う。
ともあれ、しかめつらしているネコの大将が逆に可愛い猫ラーメン。ちょっと食べてみたいよなぁ(あ、ここは「みたいよにゃぁ」と書くべき?)
猫ラーメン 1 (1) 著者:そにし けんじ |
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