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2007年1月28日 (日)

ロケットガール(3) 私と月につきあって

今回も波瀾万丈かつストレスフリーの空想科学小説でした。今回は「月への旅」という大ネタであるため、段取り設定は大きく。しかし人物の動きのような展開は小さく。ということになり、作品全体を包むムードにおいてちょっと?な感じもあったのだが、それは些細な感触。ライトスタッフの物語として堪能しました。

そう、この物語が好きな理由は、(もちろん基本設定における軽やかなアイディアの飛躍を前提として)科学的論証による思考実験としての魅力であることは前にも書いたかと思います。それはまさにセンスオブワンダーのひとつのありようであり、つまりはド直球のエスエフなんだってこと。SFであることの心地よさがここにはあるのです。
(ラストの月の水に関するエピソードなどは、これぞSFじゃん!、とかなり涙モノでした、いやマジで)

もうひとつは登場人物の魅力で、それは女子校生だからの「萌え」などではなく、ヒキーキ乗りのプロフェッショナルとしての自覚と覚悟を持っているライトスタッフに対する「燃え」です。その真摯なリアリズムに対して心が動かされるのだ、ということです。

ともあれ、外形に侮ることなく読み、そして楽しめれば、よし。なのです。

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