アンダカの怪造学(5) 嘘つき魔女の見つめる未来
シリーズ途中なので、「物語」に対する感想はとりあえず完結してから、としますが、いよいよもって物語は佳境(かなぁ?)。どう折りたたんでいくのかが楽しみではあります。
今回読んで思ったのは、日日日という作家は、根本的に感情や意識といった個人のアイデンティティを語る派なのだなぁ、ということです。物語の主軸が叙事ではなく叙情である、というとかえって判りにくいかもしれないですか? 事件や事象、設定を描くのではなく、登場人物の心のありようを実は書きたいのである。ということです。
特にクライマックスのイベントが、外的にアクティブな動きではなく、アイデンティティの問答とであることでそれは鮮明になっているように感じましたね。
もっともライトノベル的、あるいは一般的な意味でのエンタテイメント的な叙事設定である、アンダカ戦争の動きや怪造学会の陰謀(?)も十分に独創的で面白く、非常にバランスのよい物語になっていっているなぁと思う次第です。
最後まで、一気に突っ走ってほしいですねぇ。
アンダカの怪造学〈5〉嘘つき魔女の見つめる未来 著者:日日日 |
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