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2007年1月30日 (火)

となり町戦争

面白かったのだが、なぜか釈然としない気持ちもある。それは物語全体を包む虚無感であるせいかもしれない。諸々のやりきれなさに自分もあてられてしまったのだろう。ここで描かれているものは、となり町との戦争というカリカチュアライズされたメタファーとしての外圧が、本人の意思とは関係なく、与えられ、そして奪っていく、その非情さにある。と、自分は思った。結果として主人公の人生になんの変化が残ったわけではないが、そこに救いは無い。

例えば、地方行政に司法権があるのか。条例は刑法を上回るのか。など、戦争にまつわる行政の動きはあまりにも現実とはかけ離れていて、リアリティは皆無である。上述のとおり、リアルなシミュレーションをこの話は求めてはいない。故に「きまりごと」という名の暴力なのである。自分はそのような強制されることを極端に嫌っているので、だから読んでいて、物語としては淡々とした静謐なイメージであるにもかかわらず、腹立たしく気持ちが揺らいだのだろう。

結局、孤独であることしか、生きる術はない。ということか。

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