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2006年12月13日 (水)

ブレスレス・ハンター2

前作でもなんとなく感じていた違和感である、メンバー達の闘うこと(あるいは殺すこと)に対する過剰な適応ぶりはさらに拍車がかかってきている。殺戮と快楽の狭間で精神を常識域にとどめることの難しさ、その悲劇性、ドラマ性、それがこの作品におけるテーマであることが鮮明になってきたということだ。

通常ならば、肉親や愛する者の死に対するリアクションを物語のコアな推進力にするのだろう。しかし本作では一見そのようにみえて、その実、それはきっかけでしかないことに気づく。作者があとがきで触れているとおり、その状況下において人はどう壊れていくか、あるいは壊れないでいられるのか、ということが焦点なのだ。それはかなり痛々しい物語として感じる。そしてそれは成功なのだと思う。

自分的に一番、うひゃぁ、と思ったのは後半、STABメンバーがあっけなく死んでいくシーンで、あそこまで犬死をあっさり書いてしまうことに対して、強く心を動かされた。これは多分、自分自身のトラウマ(まあ自覚しているので本当の意味では違うのだけれどもね)なんだろうなぁ、と思った。

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