« お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔 | トップページ | ぱいかじ南海作戦 »

2006年12月 4日 (月)

強奪 箱根駅伝

面白かったといえば面白かった。でも、なんとなく一歩引いた目線で読んでしまい、正直ハラハラすることはなかった。

うまく説明できないのだけれど、語り口として、問題が発生しそれをどう解決するか。というハウダニットが弱いのではなかろうか。今、この問題を解決するために何をしなければならないのか。それに対してどう対処したのか。という観点における具体的な描き量が少ない。だから、なんとなく誘拐し、なんとなく要求が突きつけられ、なんとなく収束していった、というような印象になってしまう。そのせいで、読む側の熱の高まらなさにつながっているように感じた。

放り投げっぱなしの伏線も多く、主人公(?)都留と水野の関係、都留の過去、都留と幸田の関係など、重要なのだろうに、全然拾われておらず、クライマックスのレースシーンが盛り上がらないのもそのせいではなかろうか。

まあ、自分自身、駅伝に対してまったく思い入れがないというのが、はまらなかった一番の理由なのだろうけれど。だから、人の命とたかが駅伝だったらさっさと中止しちまえばいいじゃん、と思うしね。レースが、あるいはTV放送が、やめられないエクスキューズをきちんと書いて欲しかったなぁ。

強奪 箱根駅伝 Book 強奪 箱根駅伝

著者:安東 能明
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔 | トップページ | ぱいかじ南海作戦 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 強奪 箱根駅伝:

« お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔 | トップページ | ぱいかじ南海作戦 »