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2006年12月28日 (木)

オオカミさんとおつう先輩の恩返し

いやあ、笑ったなぁ。ヘンにツボにはまっちゃったんだろうなぁ。簡単に云えば暴走で妄想なアッパー系ハイテンションスラップスティック部活小説。長い? でもそんな感じでしょ。

しかし、この作品。ひたすらに類型的でとことん典型的な、これぞまごうことなきライトノベルでございますよ、という話なのだ。自分は基本的に小さなカテゴリー内で閉じていてよしとする独創性のない話は嫌いなのですよ。今でもそういう本にうっかり出くわすと怒ってるしね。
なのに! このお話に関しては妙に気に入っているんだなぁ。馬が合うんだよなぁ。なんでだ? たぶん、勢いのいいボケツッコミの文章の流れとか、ヲタク心をくすぐる引用文体とか、そんな文章巧者的な部分に対してモロ自分好みのにくいあんちくしょう的なほのかな行為を、じゃなくて好意を感じているのでしょう? しかも巨乳だし? メイドでロリでツンデレなその日の気分でよりどりみどりだし? ダメ人間化してますか? そうですか。

ところで、これも普段の自分だったらマイナスポイントであるのだけれど、前作でも感じたモロにエロエロな設定。ホントにあまり好きじゃあなんですよ、ほら、自分、ピュアラブなもんで(アホ)? 手もつなげないチョー奥手なもんで(別のところはつながってますけれどね。。。。あ、もちろんハートのことですよ?)。でもねえ、ここまであっけらかんとモロに徹してくれちゃうと、それもまた味! そんな感じですかね。艶笑譚に目くじら立てるヤツはいないっしょ、みたいな。

正直なところ、イラスト加点があるというのは事実ですよ。絵の力ってやっぱり強いじゃあないですか。妄想励起力は強いじゃないですか。せっかく話がよくてもイラストがしょぼいと苗えるのはしかたのないことだと思うのですよ。でも逆に話が悪くても絵が救うのかっちゅーとそうでもなくて、それは実はけっこう難しい検証テーマだったりするのだけれど、今回はここまで。とにかく、このイラストはいい。

ちょっとだけチェックを入れると最終話で話がややマジになっているのは、自分としてはどうかなぁと思うのだ。いや、物語として終着を目指す以上、大きな流れを作り出す(具体的にはラスボスの設定)必要がいるわけです。それは物語に広がりを持たせる事にもつながり、作話法としては、けして間違いではないというか、当然すべきことだと思うのですよ。ただ、なんとなくだけど、ひたすらにおバカでノーテンキなドタバタの連続ということでもいいんじゃないのかねぇ、という気もしないでもない。そんな飛び道具だけの話があってもいいんじゃないのかなぁ、とも思うのです。でもそれは物語をグズグズでなしくずし的に「おしまい」としてしまうことであり、それは望むことではない。むずかしいところだねぇ。

オオカミさんとおつう先輩の恩返し Book オオカミさんとおつう先輩の恩返し

著者:沖田 雅
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