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2006年11月14日 (火)

サインをつかめ!

そこはいっちゃえよ。→ああぁぁぁんん(とノリツッコミしてみましたよ)

ひとつの出来事が次の出来事を生む、いわゆるバタフライエフェクト系の物語で、それに学校の怪談や恋愛模様などが絡んで、といった感じ。アイディアは悪くない。しかしなんとなく釈然としないのは、やはり人物造形が雑だからろうか。読む人によってどう印象されるかは別れるところだろうが、少なくとも自分にとっては登場人物の誰にも共感を覚えられなかった。

特にキーパーソンである彼。すべての話をつかさどる役どころなわけで、そのネタ晴らし的なクライマックスは、それまでさえなかった彼が実は。。。 というカタルシスに結びつけるつもりだったのだろうけれど、あまりの策士ぶりに腹黒さと粘着気質なストーカーっぷりに思い切りドン引きである。自分が彼女だったら彼の本性知ったら恐怖を感じるですよ、ホント。
そんな、なんか違うだろうという気持ちがどの登場人物にも感じられて、ホラー(あるいは都市伝説的)テイストの青春群像劇となりえてないのだ。本当にアイディアはいいのにどうしてそんな話になっちゃうのってくらいにね。

もしかしたら、タイトルから連想する軽快な物語とは裏腹な部分もそのアンマッチっぷりに拍車をかけているのかもしれない。けっこうお題のつけ方って重要なのかもしれないなぁ、と思うのであった。

サインをつかめ! Book サインをつかめ!

著者:長谷川 昌史
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