天国はまだ遠く
遅れてきたモラトリアムな「お休み」。それを無為に過ごすことで得るものは、大それたものではなく、明日も頑張れるかも程度のエネルギーだが、しかし次の一歩を踏み出すのは、そんな小さなエネルギーで十分なのだ。そのための一休み。それは何もない田舎だからこそ、見い出すことができたのだろう。
こう云っちゃ否定的に捉えられてしまうかもしれないが、あえて書くと、べらぼうに面白いわけでもなく、さりとて読むのがつまらないわけでもない、そんなさりげない物語であった。そういう空気感の話が意味を持つときもあるのだ。手垢がついた表現をすると、人生のサプリメント的な物語。なんとなくTVドラマ的だなとも思った。
個人的には、ヘンに恋愛系に話が流れていかないのがいいね。あと田村さんの屈託がばっさりカットされているがそれをあえて描かない点についても好感を持てた。
![]() |
![]() |
天国はまだ遠く 著者:瀬尾 まいこ |
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント