クレイジーカンガルーの夏
別に優劣をつけようということではないことはいうまでもないが、これはいわゆるライトノベルではなく、(良質の)児童小説、成長小説であろう。それがライトノベルのレーベルで発刊されたことにどういう意味を見出すのかは、まだよくわからないが、本来の児童あるいは少年少女に向けて発信される小説として、ジュブナイルとライトノベルという分けがあるとして(実際あるのだが)その境界線はいずれ曖昧になっていくこともあるのだろうな。というか、例えとしてまったく適切ではないことを承知であえて書くと、娯楽小説と純文学の推移関係に似ているのかもしれない。
とにかく、数人の少年たちのひと夏の冒険と成長の物語として、読んでよかった。と思えたのだった。
それはそれとして、しかしだね。ファーストガンダムが中学だったってことは、ヤマトは小学低学年だよね。ウルトラマンは生まれたか生まれていないかあたりでしょ? なんか同時代感としての郷愁をイメージングするために書き込んだ感じがするけれど、少々無理があるように思った。それとも関西方面での放送ってかぶってのだろうか? いずれにせよ、その部分に関してはリアリティが感じられなかった。むしろサブカル的エピソードの挿入は無理にしなくてもよかったんじゃないかなぁ、と思うのだった。
クレイジーカンガルーの夏 著者:誼 阿古 |
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