付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います
もっと叙情的なファンタジー、幻想譚を期待/予想していたのだが、思ったよりもかなりダークなテイストであった。死や殺人などが、平然とストーリーに絡んでくる。基本設定としての、大人向け(?)なドラ○もんの秘密道具の物語から、そして表題から想起されるのは、エピカルかるエバーグリーン的なテイストの物語であろうし、もっと簡単な表現をすれば「生きてるって、人って素晴らしいね」というような、賛歌(と書くと正直鼻白んじゃうけどさ)だと思うのだ。が、実際にはそうじゃないわけで、そのズレた感じは、人によっては違うなぁと思わせるところかもしれない。自分は、そう感じた。第4話の話はだから、おまけ的なエピソードなのだけれど、自分としては一番しっくりきた話でもあった。
これは(いいか悪いかは別にして)おそらく作者の資質なのだと思う。殺人話などに対して、あまりハードルがない、リアリティを持っていない、そういうことなのかもしれない。個人的には、ならばもっと、徹底的にダークファンタジーに徹してもよかったのではないか、と思うのだが、どうだろう。
でも、そこそこに楽しめたので、予断との差に折り合いがつけられれば、問題ないとは思う。
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