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2006年9月16日 (土)

太陽がイッパイいっぱい

前半は木更津キャッツアイを髣髴させるシロート野球に精を出す(世間的には)ドロップアウト寸前の青春群像、中盤ではIWGPっぽく熱いストリートギャングの物語へと変化し、そして親子や家族、仲間の結びつきを描く人情モノとなり、最後は主人公の成長(と自覚)の物語へと帰結する。そんなわけで全体のトーンがさまざまに変化していくのだった。ともすれば一体感に欠けた話になってしまう可能性があったのだけれど、ギリギリのところでひとつの話としてとどまっている。それは、マルショウの連中の一体感が上手くまとめているのかもしれないし。あるいは単に関西弁で語られている物語だからかもしれないが。いずれにせよ、一気呵成に読みきることのできる青春モノだった。読後感は悪くない。

汗かいて疲れて酒飲んでまた明日、というシンプルなガテン系の生きかたは、自分にはいまひとつ合わないところもあって、そこに羨望はないのだけれど、そして、濃密な人間関係についても同様なのだけれど、しかしそこに浸ってしまえば心地よいのかなぁ、とは思うな。

ところで関西弁の言語感覚の面白さってのは単純に感じるところで、そうか関西ではそういう云いかたすんのんかいなと感心したのは「芯を入れる」。なるほど確かにそんな感じそんな感じ。とヘンに感心しつつ納得しました。

それにしてもさ。どんなに悩んでもいろいろあってもメロンちゃんがいるんだから、ずるいよな、主人公。

太陽がイッパイいっぱい Book 太陽がイッパイいっぱい

著者:三羽 省吾
販売元:文藝春秋
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