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2006年9月26日 (火)

ジョン平とぼくと

「魔法」という設定に対して実に真摯に向き合っているな、という印象であった。「魔法」という現象/技術/社会を、安直に取り上げるのではなく、そこにあるべき根拠と概念について理性的に構築されている。情緒に流されず、そして細部に目配りができている。ゆえに破綻がない。解説の小川氏が書いているとおり、これは科学なのだ。と自分もそう思う。正確には科学する心が宿っている作品であると思う。

ストーリー自体は、大雑把にくくればハリポタのそれだよなぁ、と思わないでもない。魔法(と使い魔)が存在する世界での学園生活。謎の事件の発生。そして解決。
しかし、物まねっぽい感じがないのは、使い魔というパートナーの存在が強くオリジナリティを主張しているからだろう。詳しく説明することはしないが(読んでくれれば判るから)、使い魔という設定はかなり魅力的で、ペットであり家族であり、そして社会的位置づけに対する考察もできる存在。面白い。個別の特異(得意)能力を設定することで、ライトノベル的異能も成立している(が、この点については、良し悪しが分かれるところで、もっとフツーでもいいんじゃないのと思う気持ちもある)。

自分の中では、感性という名のダダ漏れ文章ではなく、その点において、ライトノベルというにはかなりジュブナイル的。どちらがよいとか悪いとかいうものでもないが、少なくとも、この手の物語が氾濫している昨今、しっかりと考えられたエブリデイマジック系(でいいんだよな?)の物語として、気持ちよく読むことができた。

ところで、自分的にはジョン平の声はリーヤこと(笑)香取慎吾だったんだけど、どうかな?

ジョン平とぼくと Book ジョン平とぼくと

著者:大西科学
販売元:ソフトバンク クリエイティブ
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受信: 2006年10月 1日 (日) 19時25分

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受信: 2006年12月27日 (水) 12時16分

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