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2006年9月 2日 (土)

涼宮ハルヒの憂鬱(1・2)

なんとなく勢いで読んでしまったが、どうだろう。複雑な感想ではあった。
自分は、基本的に二次生産物的コンテンツというものをあまり好きじゃないので、映画のノベライズ、とか、小説やTVのマンガ化、とか、その手のコンテンツには辛口なのだ。しかしながら、というか、そのせいで、というか、再生産する際のオリジナリティという点において、マンガ化する上でのアレンジについては肯定派なのだ。
しかし、この場合はね。小説が描いていたものは、主人公ハルヒの焦燥と諦念がキョンの存在によって、現実(未来)への肯定に変化していく過程にあると思うのだが、これではヘンにテンションが乱高下する気まぐれなツンデキャラのような気がする。キョン自身についても翻弄されつつも一歩引いた韜晦と達観によるあると思うのだけれど、本気で翻弄されるダメキャラになってしまっているようにみえる。基本的なエピソードについては、同じだが、描き方を微妙に変化させることでそのハルヒ的な部分を失ってしまっているように思うのだ。
(その点においてアニメ化は非常に上手く成功している。おそらくはモノローグによって展開する脚本構成と、単純に時間をかけて描いたという物理的な要因なのかもしれないが、それ自体、製作者にそうすべきという解釈(理解)があってできるものだろう)

また、世間でのハルヒ現象においては、読み手側は勝手に萌えているかもしれないが、小説そのものは萌えを狙っているわけではない。しかし、マンガは意識的に萌えスジを正確にトレースしており、それもまたこの物語の抱える本意ではないように思う。

まあ、そんなわけで、小説のマンガによる再現を求めて読むと違うなぁ、と思うところは多かった。逆に完全に萌えマンガとして読めば、これほど的確に楽しめるものはないんじゃないかなぁ、とも思うのであった。

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