夜のピクニック
注意! 文中に作品の謎に関する妄想が書いてあります。
すごい力技の小説だったなぁ。実際、一昼夜歩きとおすという仕掛けだけで、他に謎も事件もない。ただ歩き続ける中で交わされる会話(あるいは告白)だけがすべてであり、そしてそれだけでこれだけの物語を読ませてしまう。正直、その筆力の確かさに驚いた。
内容については、本屋大賞受賞作でもあり、他でいろいろ語られているので、自分はあえて繰り返しません。とにかく面白かったし、読むべき本だったな、とだけ書かせていただきましょう。
あ、ただ、あれだ。中盤に登場する人物が実は存在しなかったというオチになるんじゃないか。それって恩田陸っぽいよなぁ、と最後の最後まで、どんでん返しがくるんじゃないかと思って、ちょっとドキドキしたことだけは付け加えておきましょう。
ところで、ああ、恩田陸だなぁ、と思ったのは人物名称。融とか忍とかって、典型的な恩田小説における少年の名前の命名パターンじゃあないですか。多分、ここだけ読んで、これって恩田作品じゃないかしらん、と判る人いるだろうなぁ、と思ったっす。
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夜のピクニック 著者:恩田 陸 |
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