妖怪新紀行
とてものびのび書いているなぁ。既知の妖怪に対する一般認識(というものがあるのかどうかは別として)や、妖怪小説の通常のロールにしばられず離れすぎず、自由にホラをふいているなぁ、という印象である。妖怪を野鳥などの野生生物として捉える一種のパロディなのだが、それはそれでアリかな、と思う。
モラトリアム生活からの旅立ちというテーマもあるようにも読み取れるが、それは話を進めていく上でのギミックだろう。基本的には妖怪大好き、自分なりの妖怪譚を書こう、ということなのだと思う。全体的にも長い話ではなく、夏の夜のちょい怖い怪談的にさくっと楽しめた。
妖怪新紀行 著者:瀬川 ことび |
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