蟲と眼球と愛の歌
さしあたって主要な登場人物(と超常能力)は概ね出揃い、新たな能力に対する闘い、というJOJO的ストーリー展開からの脱却が始まっている。つまりは「役者は揃った。クライマックスは近い」ということだ。
物語はさらに露悪的なまでに殺伐さを増していく。暴力的というよりは陵辱的。命を奪いあうのではなく、命を食らいあう。しかも、それらは身近な人間達によってなされるのだ。幾多のコンプレックスが絡み合い、吐き出されている物語なのだろうか、と推測するしかないのだが。
それだけの傍若無人な物語であるにもかかわらず、なぜか寂寥感、諦念が感じられるのは、そこにある成長痛のせいかもしれない。つまり自分は、この物語に対して、若さ故の過ち的な部分に魅入られているのだろう。
蟲と眼球と愛の歌 著者:日日日 |
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