涼宮ハルヒの憤慨
さて、ようやく追いついた。世間と同じ時間軸に到着したですよ。
というわけで。感想です。一言で云えば高値安定。安心して楽しめました。学校生活のお約束ネタを、「意識的に」導入する、あるいは「せざるを得ない」状況設定を理不尽にならない程度に稼動させるための設計ができているので、その展開自体に安心して楽しみ浸ることができる(というより自分が慣れただけかもしれないけれど)。
ただひとつ苦言があるとするならば、(前作「陰謀」でも感じたのだが)長期シリーズ化には必ず起こってしまう、ライバルインフレ現象がやはり発生しているのがちょっとマズイかな、と。手を変え品を変え、やたらに登場人物を増やしていって、それがイコール新展開というのは、ちょっとどうかな、と思わないでもない。個人的には最少人数でドタバタしている感じが好きなんですが。
ところで。ここまで読んできてずっと気にかかっていたのが、キョンの能力と本名。たぶん、ネット上ではいろいろと詮索されているような気がするが、検索するつもりはないので勝手に自分の考えだけ垂れ流してみましょう。
まず、名前のほうだが、八条京介って感じなのでは? ま、これはどうでもいい話題だな。それよりも能力のほうが実は最後の最後に至る重要な伏線のような気がしている。平凡な(?)一般人と書かれているが、自分の勝手な推測では、実は超能力者なんじゃねーの、と思っているのですよ。その根拠は、文体。一人称で書かれているが、キョンの科白がカギカッコつきの場合となしの場合が混在していて、しかもそこに書かれている内容が相手に伝わっているでしょう。ここですよ。実は登場人物の誰にも気がついていないが、実はすこぶるのテレパスであり、意識共有能力のあるというのはどうか? まさに叙述SF。まあ、かんぐりすぎだろうけれど。
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涼宮ハルヒの憤慨 著者:谷川 流 |
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