涼宮ハルヒの動揺
シリーズ内での位置づけとしては、インターミッション。サイドエピソード集。そんな感じか? いずれにせよ、大ネタを振り回す感じのストーリー構築ではなく、本当に些細な日常(?)のドタバタを活写した巻だった。
一言でいって、ずばり、今回は部活小説! というジャンルがあるのかどうかはあずかり知らぬが、まあ概ね想像はつくだろ? 超能力とか不思議とかそういった仕掛けのない学園祭のちょっとしたエピソードに、普通に素敵を感じた。そして前半の本当になんの事件も起こらない、学園祭の持つ非日常的な日常さ加減にキュンときたな。
それにしても、長門の占めるウェイトがどんどん重くなっている。それは多分、万能人形が不器用な人間に代わってくビルドゥングス的ポジションが、書きやすいということもあるのだろう。自分的には、みくる推し(いや、そういうキャラ推し小説として読んでいるわけでは、もちろん、けして、絶対に、ないのだが)なのは変わらないところではあるのだが、それでも長門というキャラクターをいじりたくなる気持ちは判るつもりだ。しかし、あまりにもそれはあからさまってのもなぁ、とも思うな。
そんなわけで、みくるに対するキョンの対応は、長門との関係もあって、作者は意図的にか無意識的かは知らんが、実存としての認識ではなく、実際に応対するべき対象ではなく、遠くから眺める対象萌え対象になっていて(古泉なみに判りにくい比喩だな、ようするに人扱いしてないってことさ)、そのビミョーな距離感はちょっと不満なのだよね。ま、ビジュアル以外役立たずなのは、明らかなんだけど(そういう設定だし)、それはちょっと違うなぁと思うわけですよ。だからラストエピソードでひさしぶりにみくるさん主役なのには、ギュンギュンきたっす。自分も間接キッスしてほしいっす。なんちゃって。
とまあそんな感じの霊感ヤマカン第6巻。でしたとさ。
涼宮ハルヒの動揺 著者:谷川 流 |
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