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2006年6月 9日 (金)

涼宮ハルヒの暴走

話はさらに動いていく。SOS団の所業が秘事でなくなっていく展開にはちょっと意表をつかれた。いや、クローズドな世界(イコールSOS団だが)であるのは変わらないのだけれど、単なる面白い連中の、無限にループするモラトリアムな日常から変化しようとしている。最終的にどういう話になってくのかは乞うご期待。少なくとも惰性で延々と続く学園祭前夜な物語に終始するつもりだけはなさそうだ。

さて。今回の第1話。夏休みループ編はまさに学園祭前夜ストーリーの名作「ビューティフルドリーマー」そのまんまのネタだった。が、しかし、それが単なる同ネタの模倣系に終わらないのは、作者の言葉チョイスのセンスにあるんだろう。
例えば、ループの回数が5桁の数値をさらっと云ってしまったり、派生するバリエーション回数を簡単に列挙すること。そこに示される数の多さが、単に量を示してるのではなく、登場人物たちの朱関帝行為の相対化を無意識に表現しているのだ。深読みかもしれないが、感じる。云ってる意味がよく判らないかもしれないが、書いてる自分だってよくわからないまま書いているんだ。なんとなくニュアンスで理解してもらえればそれでいいさ。
とりあえず「SFとはセンスオブワンダーがあるかどうか」ってことに尽きるのだが、そのセンスとは発想力であり表現力であり、つまりは努力で身につくよくつくモノではないと自分は考えている。逆に云えば、センスのないヤツはどうやっても「なるほどっ!」と唸らせるようなSF話は書けない。ということだ。(いわゆるSF界の大御所と呼ばれるようになった作家でも、単なる架空歴史小説でしかなかったり雰囲気伝奇小説でしかなかったりするからね)
書いてみて思ったのだが、センスの有無とは、ある意味萌えの機能にも近いのかもしれない。なにか凄そうだ、ということを勝手に読み手が妄想して読み込んでしまうという意味においてね。

というわけで、ハルヒシリーズの基本的スタンスは非日常的学園青春純愛小説(小学生並みの?)だが、今回は以上のようにそのSF性について言及してみたわけです。
といってもあまりにもベタで、そのままの設定では素人でも書かんわ、というような大ネタではあるのですよ。正直なところね。だが、それをここまで貫き通すには余程の覚悟と筆力が必要なのだとは思う。あらゆるネタをぶち込んで展開させるワイドスクリーンバロックという手法は古くはベスター、最近ではシモンズあたりがやっているが、それをライトノベル的に実践するとこうなるってことなのかなぁ。と思うね。

ともあれ、そんなこんなでよく訳の判らない感想のまま次巻に続く。やれやれ。

涼宮ハルヒの暴走 Book 涼宮ハルヒの暴走

著者:谷川 流
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