太陽の塔
どこがファンタジーやねん(笑)!
めくるめく妄想とめどなき暴走、ストーリーなどなきが如しのさえない男の悶々とした底辺生活描写。ああこれぞDTP(ドーテーパワー)。まあ面白いといえば面白いが、なんもないといえばなんもないか。でも空っぽというわけではなくて、そこに詰まっているのは目には見えない濃密な男汁なんだろうねだね、きっと。
自分としてはクライマックスの「ええじゃないか騒動」にリビドーの解放(をしたふり)を感じました。結局なんも解決になってないんだけどね。
主人公達が入っていた体育会系サークルの謎とかヲタクといいつつヲタクネタが具体的に提示されてないなぁとか松浦亜弥公式ファンクラブはないはずなんだけどなぁ、とかそういうチェックもしてみたりなのだが、舞台となっている京都の「DTに厳しい街」という雰囲気が伝わってきて心地よかったっすね。なにが「ふたりで古都の旅」だっつーの! しゃらくせい! あ、作品とは全然関係ないっすね。まあ誰しもイタイ過去(と現在)があるんだよってことですよ。そんな同属意識(それはシンパシーではなく嫌悪だったりするのだが)をものすごく感じさせる話でした。
太陽の塔 著者:森見 登美彦 |
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