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2006年5月11日 (木)

ファイナルシーカー レスキューウイングス

地味な印象でつまらなくはないけれど、あまりのれなかったな。作者自身どういう話にしていいのか戸惑っていたのかもしれない感じがした(と勝手に自分が想像しただけかもしれないが)。小川一水の作風は王道のSFで、だからどこかに必ずセンスオブワンダーがあったように記憶している。今回の作品にはそれがない。それは現在社会が舞台だからではけしてないだろう。多分、盛り込みづらかった。救難隊というスペシャリストの仕事をトレースするだけで精一杯で、それ以上のアイディアが入り込む余地を見い出せなかったのではなかろうか。まあ、それだけ自衛隊という存在がいろんな意味で重かったということなのかもしれない。

読んでいて思ったのはレスキューの屈託がわかるように描かれているなぁという部分である。自分の知識は新潮文庫「兵士を見よ」からのものだが、自衛隊におけるひこうき乗りの感情がなるほどなぁ、と思うのだった。

しかし、小川一水ってジュブナイル(ソノラマ系)の人で、ライトノベル(電撃とかMJとか富士見とかね)の人じゃあないなぁっちゅー印象はさらに強くなっちゃったな。感覚的なもんだけどね。

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