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2006年5月30日 (火)

太陽の塔

どこがファンタジーやねん(笑)!

めくるめく妄想とめどなき暴走、ストーリーなどなきが如しのさえない男の悶々とした底辺生活描写。ああこれぞDTP(ドーテーパワー)。まあ面白いといえば面白いが、なんもないといえばなんもないか。でも空っぽというわけではなくて、そこに詰まっているのは目には見えない濃密な男汁なんだろうねだね、きっと。

自分としてはクライマックスの「ええじゃないか騒動」にリビドーの解放(をしたふり)を感じました。結局なんも解決になってないんだけどね。

主人公達が入っていた体育会系サークルの謎とかヲタクといいつつヲタクネタが具体的に提示されてないなぁとか松浦亜弥公式ファンクラブはないはずなんだけどなぁ、とかそういうチェックもしてみたりなのだが、舞台となっている京都の「DTに厳しい街」という雰囲気が伝わってきて心地よかったっすね。なにが「ふたりで古都の旅」だっつーの! しゃらくせい! あ、作品とは全然関係ないっすね。まあ誰しもイタイ過去(と現在)があるんだよってことですよ。そんな同属意識(それはシンパシーではなく嫌悪だったりするのだが)をものすごく感じさせる話でした。

太陽の塔 Book 太陽の塔

著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
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2006年5月29日 (月)

面白南極料理人 笑う食卓

バンカラでバカバカしい、料理本のふりをしたバカドキュメンタリー。極限状態で繰り広げられる有能なバカ達の楽しい生活エピソードが満載(笑)。大きな流れのあるノンフィクションではなく、エピソード集ではあるが、だからお気軽に楽しめる。お気軽っつっても、その底辺にあるのは不自由な環境でいかに楽しく生きていくのかという逞しさであり、それが冒険ゴコロをくすぐるんだわ。面白いなぁ。そういう旅に出たいなぁ。そういう気持ちを湧き立たせるわけね。

作者には、今度は海猿バカ話を披露してもらいたいなぁ。

ところで、自分的には解説における、北海道の星、大泉洋さん(笑)と、ススキノ探偵作家、東直巳氏についての引用に「そうそう!」と肯くばかりですよ。

あ、とりあえずレシピ本としても役立ちです。

笑う食卓 Book 笑う食卓

著者:西村 淳
販売元:新潮社
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学校の階段(2)

まあそれなりに楽しんだといえばそのとおりなのだが、1作目で感じた違和感、「階段部活動・イコール・悪行」という設定に対する「そんな目くじら立てる程の事かいな?」という感想を払拭することはできなかった。廊下を走るって、そんなに危険でも迷惑でもないだろ? 現実にあったとして。

その違和感が作品全部の違和感にまで波及しているのか、たかが高校の生徒会活動で権謀術数もないよなぁ、みたいなところまで思いがいってしまってなんか妙に褪めてしまった。ま、そこまで否定しちゃうと学園モノライトノベル全てを否定してしまうので、あまり追求はしないが、ひとつのズレが及ぼす影響は思いの外大きいなあということだ。

他にも、エピソードをほったらかしにする勿体なさも相変わらず。「女神委員会」なんかはそれだけで1エピソードいけると思うのに、全然活用しないし、副校長の篭絡に対する理由もないまま捨て置きだし、伏線をきちんと拾ってほしいんだよね。

全体にアンダートーンだよ。ヘンに何故階段部をはじめたかという湿っぽい前日譚が長々と続いているんだから、今を描いている部分はもっとバカバカしいまでにスコーンと突き抜けてほしかった。

1冊長編じゃなくて短編集のほうが向いているのかも。3巻目はどうしようか、様子見かなぁ。

学校の階段2 Book 学校の階段2

著者:櫂末高彰
販売元:エンターブレイン
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2006年5月28日 (日)

ZOO(1)~(2)

てー。

いや、Z-。

じゃなくて、乙一。

なんだろう、面白いんだけどね。面白いんだけど、読むのがツライんだわ。

乙一作品の顕著な特徴のひとつに、身体の損傷・欠落・腐敗に対し露悪的なまでに露骨に表現するというところがあると思う。首がもげたり死体を玩んだり指を喰われたり、もうやりたい放題。ようするにスプラッタでありゴアであるわけだが、そういう痛さの表現は、ちょっと苦手なんですよ。昔は残虐表現(特にホラー映画)に対する好奇と求心はあったのだが、ここ最近と見に苦手になってきている。これが大人になったってことなん? 違うか。

とにかく、そんなわけでこの短編集を本質的じゃない部分で存分に楽しめなくなってしまった自分がちょっと悲しい。だってさ、一番キツイ作品は「SEVEN ROOMS」だと思うんだけど、でも、この話がもっとも完成度が高いだよ。不条理の恐怖と姉弟の情感が加味されてね。すごくいいんですよ。でも残虐表現にひいちゃって、心底楽しめていないんだよ。

ま、そんなタイプばかりの短編集ではなくて、「陽だまりの詩」の透明感のある哀感にくっときたり、怪談としてものごっつく完成度の高い「むかし夕日の公園で」など、どれも面白い。というわけで、本を読むときは体調も大事ってことですね。

ZOO (1) Book ZOO (1)

著者:乙一
販売元:集英社
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ZOO (2) Book ZOO (2)

著者:乙一
販売元:集英社
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2006年5月26日 (金)

グループ別ですんなりわかる はじめての仏像

自分も仏像ファンとしてもうかなり年季が入ってきたほうだと思ってはいるが、生来の物ぐさと物覚えの悪さが災いして、なかなか誰がどうで、というようなことを覚えられないのである。記憶することついては系統だった学び方じゃないとなかなか身につかないし、仏っさんに会ってもピンポイント学習になってしまうし、で、どこかできちんとしないとな、と思っていたのである。ただし、先達が多いので、ゼロから調べるというのではなく、ね。

で、この本だが、宗教的背景ではなくグループ性による分類で、実に即物的(即佛的か?)かつ具体的。自分としてはなるほどそうか、とかなりためになった。筆者自身が述べているとおり、「キャラもの」として仏像好きになっていた点が、自分の仏萌路とかぶっていて、だからすんなり理解できたのかもしれない。

自分としては超お薦め。でもブツに興味のない人には薦めませんよ(って当然か)。

グループ別ですんなりわかる はじめての仏像 Book グループ別ですんなりわかる はじめての仏像

著者:宮澤 やすみ
販売元:河出書房新社
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2006年5月24日 (水)

もやしもん(3)

今回もかもしまくり。面白し。でもって、酒好きにはタマラナイ。ンッキュウ~! てな感じ。

特に、今回の沖縄編にはかなりキマシタ。毎年のように離島に渡っては、何をするわけでもなく浜での~んびりまったぁ~りダラダラと、昼はオリオン(現地だから当然ジョッキで生、最高!)、夜は泡盛(請福酒造のいりおもて最強!)な自分ですから。ラストシーンの風景は、だから想像の世界ではなく、実体験なのですよ。ああ、もう旅ゴコロ、八重山ゴコロに火をつけられてしまったよ。くっそ、すぐいでも行きたいさ。

もちろん泡盛だけじゃなく、酒全般を愛しているのですよ。日本酒だってワインだってビールだって飲むのさ。蒸留酒だって割らずに飲むのさ。でもって...(以下のコメントは禁則事項です)。

そんなこんなの自分のツボをことごとくつかれまくっておるわけだが、そもそも農学っちゅー舞台自体がね。実学はいいよね、やっぱ。生物屋の血が騒ぐってヤツ?

ま、そんな感傷を心に秘めつつ、とりあえずシュールストレミングを食してみたいっすね。あと、武藤と及川の謎の一夜について詳しく知りたいっす(アホ)。

Book もやしもん 3 (3)

著者:石川 雅之
販売元:講談社
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ヨコハマ買い出し紀行(14)

最終巻はまるまるエピローグでしたね。その後の話ばかり。時間の進みかたが早いというか、一話毎に何年経過してるんでしょう。なんか本当はもっとゆっくり話を進めていく予定をだったのに、連載終了が決まったからそれにあわせて駈足にしたかのような気がしないでもない。しかし、別になんの違和感もないってのも不思議。

全編を通じて感じるのは「おだやかな死」。けしてほのぼのハートウォーミングな物語などではない。それはこの物語が人類の終末の物語だから。何故それは起きたのかは結局明かされなかったが、おそらく人類がどこかでミスってしまったせいなのだろうね。なんとなくだが、地球の守護者を気取ったジャイアンがやったくさいが、それはまあ主観的偏見ですよとエクスキューズしておく。 で。そんなアンハッピーな設定であるが、だからといってこの物語が悲しいとかよくないとか、そういうことではないんだよな。夕陽に魅せられるのは純粋に美しいだけじゃあなくて郷愁やらなんやらの勝手な想いがあるから、とそういうことだろう。

とにかく、いつまでも続きそうなのでいつ終わってもよかったマンガだったので、どうやって引き際とするの実は重要だったのだ。だからこのようなタイミングもまた正解だと思う。自分、そういう意味でも黄昏を愛しているのかなぁ。

ところで、アルファさんに限って云えば連載当初の縦長の顔のほうが好きだったんですよ。実はね。

Book ヨコハマ買い出し紀行 14 (14)

著者:芦奈野 ひとし
販売元:講談社
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2006年5月19日 (金)

九州遺産

九州は広いことを実感。遺産と称する大建造物が残っていて、自分の旅心をモーレツにくすぐったらありゃしない。建造物には写真じゃ判らない、現場じゃないと感じられない、実物じゃないと得られない、独特のパワーってあるじゃあないですか。感じたいなぁ。

特に、石造の橋やダムなどにはなんか物凄く惹かれているっす。ああ行きたい。ただ街なかにあるわけじゃあないから本当に観に行くとなったら結構大変かもしれないけれどね。

引っかかったのは、軍事施設跡が多いということ。ま、九州が重工業地帯であったこととその後の歴史的展開から残る事も当然といえば当然なんですけれどね。残された遺跡ついては、いろいろ考えさせられるんですよね。アジトみたいな建物にはヤンチャゴコロをくすぐらされずにはいられないのだけれど、反面、戦争に対する絶対的な拒否反応もあって、ちょっとアンビバレンツな気持ちになってしまいました。

九州遺産―近現代遺産編101 Book 九州遺産―近現代遺産編101

著者:砂田 光紀,国土交通省九州運輸局,九州産業・生活遺産調査委員会
販売元:弦書房
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トリックスターズD

注意! 以下の感想には本編中の本質部分を連想させる記述があります。

導入2章分の文体が、前2作とはちょっと違う、ライトノベル的な雰囲気の書きっぷりな印象に変化していて「あれ? 結局そういう感じに伸ばしちゃうの?」と思ったのだが、どうやらそれもまた全編に仕組まれたトリックであるらしい。侮れないなぁ。

というわけで、3章目。事件が起こってからは、いつものトリッキーな文体のミステリに戻りました。しかし、というか、しかも、というか。前2作を(3作目自身も)あからさまに本文中に取り込む力技のメタミステリにしてしまう。もしかして前2作を反故にしてしまうつもりなのか? と思わせる展開なのだ。特に、第2作において1作目での主人公にして語り手である登場人物の大ネタ設定を全然生かしていないため、もしかしてそれは本作(3作目)に至るがための伏線、詐称なのでは、とそこまでかんぐりだしてしまう始末。

ま、事件の結末はメタミステリではありつつも、全設定をキャンセルすることなく、比較的ノーマルに着地している。そして、フーダニットについては、自分の想定の範囲内だったので、作者との知恵比べに関しては今回は引き分けだな(笑)。

Book トリックスターズD

著者:久住 四季
販売元:メディアワークス
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2006年5月18日 (木)

トリックスターズL

注意! 以下の感想には本編中の本質部分を連想させる記述があります。

今回もなるほどまんまと騙された。というよりも推理しようと呼んでいるわけではなったので騙されたというのとはちょっと違うのかもしれないが、あのオチは想定外でした。なるほど、ミステリを模した魔術師の物語と作者自身書いているとおり、この物語は「謎を解決する」ことを目的としているのではなく、「謎に説明をつける」ことを手段としている小説なのだ。云い換えると「謎を明白にする」
のではなく「謎を隠蔽する」ためのミステリであるってことだ。というわけで、まさに『秘されれたもの』という意味のオカルティズムに満ちた小説なのだなぁ。まさにトリックスターの物語だ。

ミステリの構造解体の小説ではある。密室なのにホワイダニットにするアクロバティックな構成は作者の遊び心/あるいは天の邪鬼ゴコロ、を、感じる。ミステリのためのミステリという構造は清涼院流水的で、密室として使役させるための密室という構造としては森博嗣を連想させる。ま、だからどうだということではないのだが、作者久住は将来的にそういう方向の作家になっていきそうな予感はあるなぁ。

ところで、自分がこのシリーズを気に入っている理由のひとつには、無駄なバトルシーン、アクションシーンがないことがある。かなり大きな理由だ。必要以上に書き込んだアクションシーンってライトノベルの悪癖のひとつだと自分は考えているのだ。あれはストーリーのスムーズな展開を阻害するからね。読むのに不要だし、正直迷惑(もちろん、それ自体を目的とする物語なら別だが)。まあそれ自身偏った考えなんだろうけれどね。

Book トリックスターズL

著者:久住 四季
販売元:メディアワークス
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2006年5月17日 (水)

トリックスターズ

まんまと騙された。

本格と称されるミステリとして分類するならば、前提からして卑怯であろう。事件に対する推理展開をしていく上で「魔術がある」という前提で、しかも「魔術は万能ではないといいつつ、なにが万能であるのかないのか」があらかじめ提示されないというのは、本格ミステリとしてはありえない構造である。推理とは一般的な常識を背景にして可能と不可能を判断していくわけだから、判断根拠を持てない以上、推理なんかできないのだ。普通は。

と、云いつつ、提示された(問われた)7つのトリックに対しては、確かに読んでいて、記述上のフック(ヒント、あるいは伏線)には気づいてはいた。が、最終的な構造についてまでは、さすがに読みきれなかった。それは魔術という設定のせいでもあるし、ストーリーに関係ない謎が含まれるせいもあろう。すべての謎は事件のために存在するわけではなく、登場人物に対してではなく直接読者に対する挑戦である。メタミステリ化されている。それを卑怯な詐術ととるか叙述な挑戦としてとるか、人それぞれだろう。

具体的には、7人と6人の謎については、読めた。それはストーリーの根幹にかかる部分でもあったから。しかし、その人物に関する仕掛けまでは読めなかった。確かに、ヒントはヒントとしてわかっていたんだけれどな。

総じて、小説としては若書きでもあり、荒っぽさ、雑さは否めない。が、リーダビリティは確かに感じた。なにより、自分がまんまと罠に引っかかってしまった時点で負けを認めなければいけないだろう。楽しめた本である。

トリックスターズ Book トリックスターズ

著者:久住 四季
販売元:メディアワークス
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2006年5月16日 (火)

お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文

ちょっと不思議な日常を描いたお話で、特に大きな事件が起きるわけでもない典型的なエブリデイマジック。雰囲気はけして嫌いじゃない。ただ、あえて云わせてもらうと、これはライトノベルとして出版するのではなく、児童向けメルヘン小説として出版すべきものでは? なんかライトノベルのレーベルにすることで対象読者を微妙に誤ってしまっているような気がするのですよ。それとも今のライトノベルの対象者層って児童書とイコールなのか? まあ、深くどうこう思ってるわけではないのだけれどね。

あと、ヒロインの性格と行動と言動がどう見ても高校生じゃないよね。物語の構造設定としては、どうみても小学生から中学生低学年だと思うんだけどな。あるいは、もしかして、当初書かれていたのはそのくらいの年齢設定だったのが、ライトノベルで出版するにあたって年齢を引き上げたのかも。推測ですが。

まあ、そんな感じの小説でした。

お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 Book お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文

著者:篠崎 砂美
販売元:ソフトバンククリエイティブ
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2006年5月14日 (日)

撲殺天使ドクロちゃん

ライトノベルの極北とはよく行ったもの。正直どこをどう楽しめばよいのか皆目見当がつかぬまま読了してしまいました。なんだろうね、どんな本でも「面白い」とか「つまらない」とか、何かしらの感情の動きがあるもんなんだけど、この本は。全然、何にも、まったく、感じなかったのです。文章と眼のあいだに何重ものフィルターがかかっているようなそんな印象。

多分、キャラクターに対して感情移入が出来ないとか、シノプシスだけでストーリーが描かれていないとか、その気になろうと思えばいくらでもつっこめるんですけれどね。全然そんな気にすらならないのですよ。

読んでいるあいだは、涼宮ハルヒのシリーズと対比して、なにか語ってみようかとも、異人来訪譚の定石に関して考察してみようかとも思ったのですが、読み終えてみればなんかそんなことはどーでもいいやという気分になってしまっております。今はただ読み終えたなぁ。とそれだけしか感じるところはないです。

一応、完結しているので、自分としても完結。続きを読むことはないでしょう。

撲殺天使ドクロちゃん 1 (1) Book 撲殺天使ドクロちゃん 1 (1)

著者:桜瀬 みつな,おかゆ まさき
販売元:角川(メディアワークス)
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涼宮ハルヒの退屈

うん、なるほど。いや、なにどうもって納得したという訳でもないのだが、ではどう切り出してよいものか、ぜひ教えていただきたい。

3冊目にして、若干マンネリ傾向に陥りつつも基本的にはアッパー系脳内ドラッグジャンキーなハルヒとその愉快な仲間達(笑)の悪行と苦行の物語であるというベースラインはそのままに手を変え品を変えいろいろと考えてくるなあといったところ。それなりに愉しませていただいているし、to be continueなつもりではいるのだけれどな。このシリーズがどれだけ続くのか判らない(いや、少なくとも8巻までは続いているのは知っている)が、まあお手並み拝見だな。

基本的には、自分はみくるさん視点(あるいはみくるさんを愛でるキョン視点)で読んでいるので、二人の距離感の伸びたり縮んだりクンダリに(?)、一喜一憂したりしている派なのだが(どんな派だよ)、まあハルヒのお子ちゃま感情も判らないではないので、今後にナリチューってところだな。

と、萌えサイド感想としてはこんなまとめになるが、実際にはそんなに熱狂的に推しなわけでもないのですよ。念のため。

涼宮ハルヒの退屈 Book 涼宮ハルヒの退屈

著者:谷川 流
販売元:角川書店
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2006年5月13日 (土)

ARIA(5)~(8)

相変わらず面白いです。日々の中で起こる日常という名前の素敵な冒険は皆を幸せにするんだよね。(←恥ずかしいセリフ禁止っ!)

あと、この話で面白いのは、環境的にはベネツィアなんですが、生活習慣的には、でっかいジャパナイズなところ。移植するとき、そして地球でも、ナニカがあったに違いない。なんだろうね。

ところで、不満をひとつ。カラーはコミックス化するときも再現してほしいです。もったいないです。

疑問をふたつ。
灯里や藍華は、地球年で3年程経過しておりますが、いまだ公私共になんの進展もありませんが、今後どうなっていくのでしょう? そしてアリスちゃんはエリートのはずなのにまだシングルになれないのは何故でしょう? 灯里よりも遅いんだもんね(笑)。

ARIA 8 (8) Book ARIA 8 (8)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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ARIA 7 (7) Book ARIA 7 (7)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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ARIA 6 (6) Book ARIA 6 (6)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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ARIA 5 (5) Book ARIA 5 (5)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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僕らはどこにも開かない

注意! 感想文中、話の本質にかかわる言及をしています

設定をごく単純に解体すると、象徴系学園ホラーになるのだろう。具体的には「殺された少年の怨念が殺人の連鎖を誘発する」。ね、ありがちでしょ? ところがその陳腐なストーリーを、表現のフォーカスをずらすことによって、青春期の自意識過剰で、自分はフツウじゃないというネガティブ(?)な感情のぶれと、それが解昇(解消と昇華)していく物語となっているんだなぁ。
自意識(自己認識)と他意識(他者との距離感)の在り様を、「魔法」という言葉に置き換える感覚など、上手いなぁと思う。

表現的には複数視点から事件を俯瞰展開していくタイプなんだけど、後半それが憑依とのリンクにもつながっていく。

ミステリーでありホラーであり青春学園モノ。しかしライトノベル的ではないという、電撃らしからぬ本ではあるが、しかし面白かったし、もっと知られてほしいなぁと思うのだった。

僕らはどこにも開かない Book 僕らはどこにも開かない

著者:御影 瑛路
販売元:メディアワークス
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2006年5月11日 (木)

ファイナルシーカー レスキューウイングス

地味な印象でつまらなくはないけれど、あまりのれなかったな。作者自身どういう話にしていいのか戸惑っていたのかもしれない感じがした(と勝手に自分が想像しただけかもしれないが)。小川一水の作風は王道のSFで、だからどこかに必ずセンスオブワンダーがあったように記憶している。今回の作品にはそれがない。それは現在社会が舞台だからではけしてないだろう。多分、盛り込みづらかった。救難隊というスペシャリストの仕事をトレースするだけで精一杯で、それ以上のアイディアが入り込む余地を見い出せなかったのではなかろうか。まあ、それだけ自衛隊という存在がいろんな意味で重かったということなのかもしれない。

読んでいて思ったのはレスキューの屈託がわかるように描かれているなぁという部分である。自分の知識は新潮文庫「兵士を見よ」からのものだが、自衛隊におけるひこうき乗りの感情がなるほどなぁ、と思うのだった。

しかし、小川一水ってジュブナイル(ソノラマ系)の人で、ライトノベル(電撃とかMJとか富士見とかね)の人じゃあないなぁっちゅー印象はさらに強くなっちゃったな。感覚的なもんだけどね。

ファイナルシーカー レスキューウイングス Book ファイナルシーカー レスキューウイングス

著者:小川 一水
販売元:メディアファクトリー
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兵士を見よ Book 兵士を見よ

著者:杉山 隆男
販売元:新潮社
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ARIA(1)~(4)

のほほんとした癒し系マンガですよね。季節はめぐるけれど、話自体は全然進まない。そんなゆるゆるな物語でも登場人物は少しずつ増えていき、コミュニティ(?)がつくられていく。心地よい停滞感。いやぁ、そこがいいんだよねぇ。

天野こずえのピンボケ風のカラーがいい。要するに輪郭に色をのせてボケた感じを出しているんだけど、この話に実にあっている。あと、意外と筋肉のつき加減がしっかりした絵柄(特に藍華ちゃんの二の腕はごっついな)であるもの興味深い。まあウンディーネ業だからというエクスキューズですかね(笑)。

自分の萌えシロは天然キャラの灯理といいつつ、実はアリア社長です。ぷいにゅ。

ARIA (4) Book ARIA (4)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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ARIA 3 (3) Book ARIA 3 (3)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガ-デン
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ARIA 2 (2) Book ARIA 2 (2)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガ-デン
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ARIA 1 (1) Book ARIA 1 (1)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガーデン
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2006年5月10日 (水)

アロハロ! 安倍なつみ写真集

いやぁ、もうサイコーッす。最強天然アイドルであるところの「なっち」の南国パラダイスですよ。脳内麻薬200%増量中ですよ。手に汗握るですよ。ってナニ云ってんだ、オレ。

ま、しかし、あれだ。水着満載写真集ではあってもお色気ムードな雰囲気はないんだよなぁ。元々そういう意図をもって撮影されていないせいということもあるだろうし、安倍なつみ自身に「色気がない!」ということもあるだろう。

いずれにせよ! グラビアアイドル写真集的な視点で捉えると面白くないってこと。

じゃあどう愉しむのさっちゅーと、ズバリ! 萌えだ。例えばこのショットを撮影しているとき、いかにもなおバカな発言をしてスタッフさんたちに笑われているんだろうなぁ、とか。そんな妄想で脳内補完しては、微笑ましく想う。まさに萌えのカンブリア爆発ですよ、な! なじゃねーか。

ともあれ、ファン以外には萌えシロもなにもないとは思えますが、自分としてはわりと堪能できました。

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こどものじかん(1)

私屋カヲルは、いったいどこに行こうとしているのか。以前の作風ではちょっとお色気な味付けのおバカなコメディ少女マンガのヒトというイメージだったが、久しぶりに読むと、それなりに変化が、ってそりゃトーゼンか。。。

基本的には既存と同じ路線なのだが、本作では「教師と生徒の恋愛感情」「生徒と生徒の恋愛感情」という、かなりアブナい現実的な問題を励起させるような内容になっているのだ。

絵柄が(これは昔からだけど)わりとアキバ系/萌え系なので、今までも純粋な少女マンガ的なヒトではないなぁとは思っていたが、本作は特にそれが顕著に、明らかな作為を感じる。もちろん、それはナイス確信犯ではある。

しかしねー。小学校教師って実際大変だと思うわけですよ。ヘンにませた生徒、ヘンに意識の高い親、すごい閉鎖的社会なので同僚に変人がいたりして、世間の風当たりは強いし、仕事の内容に比較して得られる給料も地位も低いしで、聖職者とは程遠いんだよね。よほどの信念があるか、あるいは真逆によほどの確信犯でないと出来ない仕事だと思うわけですよ。
で、そんなリアリティがなんとなく感じられていて、だから生々しいなぁと思ったのかも。

てなことを云いつつ、ナイスバデな先輩教師にはちょっと(かなり!?)クラクラのぎゅんぎゅんキテマスね。いやマジタァ~イプ(笑)!

あとは、主人公のDT感あふれるリアクションがなんともリアルで、私屋おそるべし、とちょっと思ったっす。以上。

こどものじかん 1 (1) Book こどものじかん 1 (1)

著者:私屋 カヲル
販売元:双葉社
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2006年5月 9日 (火)

AQUA(1)~(2)

はひー。

アニメ「ARIA」にすごくはまったので、いつか原作も読まずばなるまいと思っており、ようやく、とりあえずこちらから読了。うん、よかった。未来の話であるにもかかわらず、全編に流れる「懐かしさ」が実に心地よい。

世界観設定としては実はゆるくて、世界として成り立たねーだろ? と思うところもあったりするが、ハードSFじゃあないので全然オッケーである。むしろ、ひとつの寓話のように読み取っていくべきなのかもしれない。

実は、(アニメも含めて)どこかなんとなく終末的ムードを感じてしまっているのだが、それは水没世界(本当は違うんだけど)という設定が「ヨコハマ買出し紀行」を連想させるせいで、この話はバックグラウンドはそんなに重くはない。が、地球はかなり痛めつけられてる様子なので、まあ完全にハッピーな時代ではないようですな。

ともあれ、水と不思議に満ちた世界での愛しい人たちの日々を眺めるというのは、幸せなんだと思うよ。(←恥ずかしいセリフ禁止っ!)

AQUA 2 (2) Book AQUA 2 (2)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガ-デン
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AQUA 1 (1) Book AQUA 1 (1)

著者:天野 こずえ
販売元:マッグガ-デン
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夏期限定トロピカルパフェ事件

いかにもなんだかなぁといった感じの「小市民」シリーズなる呼称には、ちょっと腰が引けるのだが、それはそれ。好きなんだよね、これ。

自意識過剰で小賢しい二人が如何にして普通(=小市民)たるかという日々を抑えた筆致で描いている。そこが好き。若いっちゅーか、なんちゅーか。

しかし。よく考えるとだ。「小市民」っていってるけど、自らなろうとしてなれるもんじゃあないのよ。本当の小市民はそんなこと考えもしないし、むしろ小市民じゃないことを意識的に、あるいは無意識的に志向しているのが小市民だと思うんだけどね。とすればその時点で二人ははじめからごく普通の小市民なんだけど、それに気づかないのがまあ「若さ故の過ち」なのかなぁ。
(といいつつ、自らの高校時代を思い出して赤面する自分)

本格ミステリとしては、謎の深度はそれほどでもないが、提示と解決という一連の手続きが王道。短編部と長編部の入子構造もなるほどきれいだし、まとまりのいい本だと思う。

あとは、あれか。甘いものは嫌いじゃないけれど量は食わないので、夏休み中スイーツにつき合わされるのはきついね。よほど付加価値がないとね。

夏期限定トロピカルパフェ事件 Book 夏期限定トロピカルパフェ事件

著者:米澤 穂信
販売元:東京創元社
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2006年5月 8日 (月)

青空の卵

ミステリは本格こそが王道、とは思いつつ、そうそう殺人事件などばかり起こるのは不可解ナリ、とも思う自分としては、所謂「日常の謎」系本格ミステリこそが似つかわしいのだろう。というわけで、本書もかなり楽しむことができた。けれど、どこか釈然としない気分であった事もまた告白しておかずばなるまい。

ひとつは、すごくまっとうであるところに欺瞞を感じたせい。例えば、語られる物語が度を越したウェルメイドな人情話であるところとか、登場人物たちが次々と友人関係の輪を広げていくところとか、そういうシンプルでお手軽なもんじゃないだろう? と思ってしまう。まあ、なんのことはない自分に置き換えた場合、そんなに容易く人を受け入れたり信じたりすることができないってだけの話なのだ。人見知りが激しい自分としては架空の物語に嫉妬しているのだな。

もうひとつは、主人公ふたりのいびつな人間関係にすごいネガティブな雰囲気を感じてしまったことや、30近くにもなってすぐ泣くシーンに鼻白んでしまったことにある。これも要するに自分には「それはできない」という矜持(?)との違和感に勝手に反応してしまっただけのことだと判ってはいる。

結局、なんか自分のダメな部分を見せつけられている気がして尻の据わりが悪かったというだけの話だ。我ながらひねくれているなぁ。

そんな違和感はしかし作品をスポイルするような理由ではない。冒頭に書いたとおり、好きな系列のミステリであり(かなり若書きだけどね)、続きが気になるくらいに気に入った。完結したシリーズだし、とっとと文庫化していってほしいところだ(ハードカバーで買わないのはよい読者ではないか(笑))。

青空の卵 Book 青空の卵

著者:坂木 司
販売元:東京創元社
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2006年5月 7日 (日)

DEATH NOTE(11)

もう何がなにやら判らなくなってきたです。ニアとキラの腹の探り合いは、一見高度な心理戦のようだが、一歩ひいてみれば思わせぶりで自家中毒気味、自己満足のキライはあるなぁ。

魅上が登場して舞台が日本に移ってから話がふたたび大きく転がりだしたせいで、それまでの煮詰まった感じは薄れてきたが、いかんせん会話でストーリーが進むという形式になってきているので、絵で語るという「マンガ」の本質からは遠ざかっているように思う。まあそういうマンガがあっても悪かないんだけどね。

と書いてはみたものの、仮にこれが小説形式だったとしたらどうだろうとも思う。疑心暗鬼で殺伐としたグダグダな展開になってしまうかも。とすれば小畑健という絵巧者の存在の重さが実感されるな。

ともあれ、この物語がどう結着点を見い出すのか、楽しみではある。

Book DEATH NOTE 11 (11)

著者:大場 つぐみ
販売元:集英社
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2006年5月 4日 (木)

アンダカの怪造学(3) デンジャラス・アイ

読めば読むほど奇妙。内容がではなくて、作風が、ね。

ダジャレなのかどうか判らないネーミングの奇妙奇天烈なキャラばかり。エピソードも軽いノリで、そういうディテールだけを捉えると、お気楽おバカなスラップスティックコメディになるのだが、全体をつつむダークな雰囲気や禍々しい基本設定はあまりにも重苦しい。

日日日作品は基本的に内省的な煩悶が多いように思う。だからはじけようとしても、どうしてもはじけきれてないような気がする。自分としてはそんなはじけきれない隔靴掻痒な作風がキライではないので、(少なくともこのシリーズについては)このままの雰囲気でいってほしいようには思うね。

Book アンダカの怪造学(3) デンジャラス・アイ

著者:日日日
販売元:角川書店
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2006年5月 3日 (水)

よつばと!(5)

しまった、じゅうがない!

何にも事件が起こらないフツウの日々のなんと素晴らしいことか。フツウの日々が実はとても新鮮で驚きに満ちた素敵なことであることを、いまさらながらに教えられる。そして明日をむかえることが(少しだけ)待ち遠しくなる。簡単にまとめてしまえば「癒し系」マンガなんだけどね。へんに作為がない(ように作為されている)ため、あざとさで熱が冷めないんですよね。素晴らしい。今回はサービスステージ(笑)もあったし。

反面、ああいう日々は自由業(と学生と無職)だからこそ成立してるんじゃんっていうひねくれた気持ちもあるわけよ。そしてそういう穢れたココロに自己嫌悪したりする。ああこんな汚れた大人になんか幸せは一生こねーな。

自分的なお気に入りは、やっぱジャンボだなぁ(風香は別格)。ダメな大人にはあこがれるが、ダメっぽさにも種類があって、自分にとってはジャンボがそれ。具体的にどうってわけでもないんだけどねぇ。というわけで。

ジャンボビームッ!

よつばと! 5 (5) Book よつばと! 5 (5)

著者:あずま きよひこ
販売元:角川(メディアワークス)
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よつばと! 4 (4) Book よつばと! 4 (4)

著者:あずま きよひこ
販売元:メディアワークス
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よつばと!(3) Book よつばと!(3)

著者:あずま きよひこ
販売元:メディアワークス
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よつばと! (2) Book よつばと! (2)

著者:あずま きよひこ
販売元:メディアワークス
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よつばと! (1) Book よつばと! (1)

著者:あずま きよひこ
販売元:メディアワークス
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2006年5月 2日 (火)

戦う司書と黒蟻の迷宮

ジョジョ的超人戦闘というフォーマットに固定されてしまったらしい。自分としては1作目のような雰囲気に新機軸を見出していたので残念ではあるが、だからつまらなくなったということでもないのだなぁ。
苦悶はあるが自意識過剰な内省はないのも今時としては新鮮。過激な部分はあるが意外と素直で直球なテイスト、というところだろうか。

今回の面白さは、全編がクライマックスであるという点だろう。本来もっと長いふりがあって迷宮でのカタストロフィに至るというのが通常だと思うのだが、いきなりはじまってしまう。ストーリー上の時間経過は数時間程度だろう。冒頭の展開でなんとなくエスピオナージ風になるかな? と思ったがそうはならず、ただひたすら戦闘が続くという潔さ(?)。まあ、嫌いじゃあない。

次巻はどうなることやら。

戦う司書と黒蟻の迷宮 Book 戦う司書と黒蟻の迷宮

著者:山形 石雄
販売元:集英社
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2006年5月 1日 (月)

涼宮ハルヒの溜息

1巻で覚悟を決めたかのようなキョンは、半年のあいだに(必然として?)韜晦してしまっているわけだね。でもってみくるさんを萌え対象化してしまっていると、そういうことですか。シリーズ化することで、1巻の持つ気負い(それは青春特有の青っぽさとイコールなのだが)が薄まっていっているような気がするなぁ。まあ、そんな大仰なことでもないんだけどね。

ストーリー的には、まあ悪かなかったとですよ。バカな学園生活の超日常風景を微笑ましく楽しませてもらいました。オチもなるほどと思う程度には決まった感もあったしね。

涼宮ハルヒの溜息 Book 涼宮ハルヒの溜息

著者:谷川 流
販売元:角川書店
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