侵略する少女と嘘の庭
清水マリコという作家はどうしてこうも、せつない気持ちを見事に書ききってくるのだろう。純粋でいてひねくれていて嘘に満ちていてだからこそ真実の想いはせつない。そういう物語なんだ。なんだよう。
今回は子どもから大人への端境期にある4人とひとりが、いかにして成長したかを描いているんですが、いや、もうやられまくってしまいました。少年の逡巡する甘酸っぱい気持ちがすんごく「わかる」んだよな。自分もそうだから(過去形じゃあないのか? 万年青少年だからな!)。
物語でかなりヤラレタのだが、ラストページの見開きイラストで、完全ノックアウト。挿絵負けしてないお話と、お手軽萌え的でないきっちりとした挿絵。心地よいコラボレートができているって素晴らしいです。
清水マリコは、今後もこの路線でぶっちぎっていってほしいですね。
ところで、頑なにガンプラって単語を使わないのがヘンな味になっていた。基本的にサブカルテクニカルタームを投入するのは自分自身好きではないのだが、ここまで徹底されると逆に違和感があったりする。翻って、サブカルタームってどこまでが社会一般として共通認知されているのか、ちょっと気にかかった。ヤマトやガンダムはもはやマイナーではないのか? ドラクエは? とかね。自分の中ではまだまだ国民の共通認識とまではいっていないという感覚なんですけどね。
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侵略する少女と嘘の庭 著者:清水 マリコ |
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