都市伝説セピア
本タイトルはちょっと苗ぎみな感じがあるのだが(セピアって単語がねぇ。。。)、内容はいい。実にいい。
ホラー系奇妙な話。端的に云えば「トライライトゾーン」なのだが、ノスタルジックな雰囲気が乱歩的な香りも醸し出している。自分的には「昨日公園」に思いきり泣きました。(以下、読んでないと判らないか?)その終わりかたは予想していなかったっす。考えればそういう幕引きしかないだろうと思うが、しかしそこまでよくぞたどりついた、とも思う。もちろん同じテイストの「月の石」もよいね。まったく違う「フクロウ男」もオチにやられたし「死者恋」もクライマックスに転がり込むドライブ感がいい。総じて決着点がキレイなのだ。だから読後感が残るんだろう。
朱川は基本的に懐古志向で、擬古文ではないのだが昭和なイメージが全編に漂っている。キライではないだが、だから逆に文中にコンビニとかが登場すると、ちょっとビックリする。そもそも懐古といっても昭和初期ではなく昭和40年代なので、実はそんなに「昔」嗜好でもないのかもしれないけれど(といいつつ昭和40年も、もはや40年近く前。つまり半世紀も前なんだよな。ちょっと愕然とするねぇ)
都市伝説セピア 著者:朱川 湊人 |
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