メイド刑事
バカ小説だねっ!
全編に満ちたお約束の嵐、嵐、嵐。基本的に「お約束」というのはオリジナリティの放棄であって、好きではないのだけれど、定番的展開が許される、効果を発揮する系の物語というものは確かに存在しており、それは、ズバリ! パロディやパスティーシュなどの繰り返しや定番を笑いに転化するために機能しているものである。と、もってまわった云いかたをしてしまいましたが、つまりは「バカ小説は天丼が命」ということであるね(違うか?)。
というわけで、実に堪能させていただいたわけだが、要するに「エースをねらえ!(スポコン)」→「トップをねらえ!(SF)」と同じく、「スケバン刑事(不良)」→「メイド刑事(萌え)」というキーコンセプトの変換による面白味が肝だったわけだ。だから、主人公が暴走族あがりという設定は、実はあまりにも原典に近しすぎて、自分としてはちょっとゆるい感じはしないでもない。ま、でも「メイドの一里塚!」とか、バカ暴走がいい感じにオーバードライブしていて、心地よかったかな。
もうひとつ気になったのは、主人公が17歳という設定で、これはせめて22歳。理想的には24歳ではなかろうか? 理詰めの理由があるわけではないけれど、自分の中でリビドーとしてメイドは20代でしょう!みたいな感覚があるとです。もっと自分の心の奥底まで掘り下げるとイロイロわかることもあろうが、これは怖いのでやりません。
メイド刑事 著者:早見 裕司 |
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