漱石の孫
エッセイのようで評論のようで紀行文のようで、しかしいずれでもないという変わった本になってしまっている。それはタイトルのとおり「漱石の孫」であるという事実がこの本に過分にさまざまな視点を入れざるを得ない背景を作り出しているのだ。(と作者自身も書いている)
自分が夏目房之介の名をはじめて知ったのは、月刊OUTの鉄人パロディマンガでのことで、それ以来、さまざまなメディアで出会い続けている。それはマンガを中心とするサブカルチャーを嗜好すればどうしてもそういうことなってしまうのだ、というだけのことなのだが、ここで云いたいのは、自分にとって漱石の孫という肩書きはかなり後になって知ったことであるということだ。
タイトルが示すとおり、この本は「漱石の孫」である作者の自伝であるのだろうな。
ところで、関川夏央の解説が高校生の読書感想文みたい。いままで本文に書いてあったことをそのままなぞる必然性が判らなかった。関川氏は嫌いじゃないんだけど、ちょっとこの解説はいただけないと思う。
漱石の孫 著者:夏目 房之介 |
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